【西表島=竹富】環境省レッドリストで絶滅危惧1A類に指定されている竹富町西表島の固有種カワボラがこのほど、約15年ぶりに同島の浦内川で確認された。2003年7月の確認を最後に絶滅も疑われたが、西表島エコツーリズム協会の調査で初めて水中動画の撮影に成功。専門家によると生きた個体の撮影は国内初で、泳ぐ姿を捉えたのは世界的にも例がないという。同協会が19日発表した。

約15年ぶりに西表島で確認され、赤塚義之さんが動画撮影した絶滅危惧種のカワボラ=16日、竹富町西表島・浦内川(西表島エコツーリズム協会提供)

鈴木寿之さんが2003年7月に撮影したカワボラ(西表島エコツーリズム協会提供)

約15年ぶりに西表島で確認され、赤塚義之さんが動画撮影した絶滅危惧種のカワボラ=16日、竹富町西表島・浦内川(西表島エコツーリズム協会提供) 鈴木寿之さんが2003年7月に撮影したカワボラ(西表島エコツーリズム協会提供)

 カワボラは国内では浦内川の渓流域だけに生息している淡水魚で、全長は最大で60センチほど。ずんぐりした体形で背側が黒色、腹部が白いのが特徴。国外ではフィリピンなど太平洋西部の熱帯域に分布している。

 同協会は、約15年前に1個体の生息を確認した日本魚類学会自然保護委員の鈴木寿之さん(62)=兵庫県=の協力を得て、地元ダイバーらと15年12月から同川の渓流域で絶滅危惧魚類の調査を定期的に行っていた。

 16年10月の調査でもカワボラとみられる個体を発見したが確定できず、今月16日の7回目の調査で複数の調査員が2個体を確認。島内でツアーガイド業を営む赤塚義之さん(39)が撮影に成功し、全長約40センチの個体が素早く泳ぐ姿を捉えた。

 環境省の絶滅危惧種選定委員でもある鈴木さんは「15年たっても確認されなかったので絶滅指定も考えていた。生きた姿を捉えたのは世界的にもなく、この再発見はかなり貴重」と評価。「川が奇麗な証拠であり、島の人が発見したことにも価値がある。島の宝として島内外で協力して守ってほしい」と述べた。