沖縄本島中部の県立高校硬式野球部で2013年1月、打撃練習中に校外コーチの打った球が左眼球近くに直撃し、視力が極端に低下するなどの後遺障害を負ったとして、元部員の男性(22)が県に約4400万円の損害賠償を求めた訴訟で、県が600万円の解決金を支払う内容で和解することが20日、分かった。県議会の議決を経て3月か4月に和解成立の見通し。

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 那覇地裁沖縄支部であった12月の和解協議で、支部が示した和解案を双方が承諾した。同支部は「打撃練習の方法自体が危険とはいえないが、安全指導が十分だったか疑問がうかがえる」との心証を示したという。県は、和解内容や和解金の支出を求める議案を県議会2月定例会に提出する。

 男性は大学生で、代理人弁護士によると「完全に納得はしていないが、社会人になる前に区切りをつけ次に進みたい」と話しているという。弁護士は「部活動で二度と同じような事故がないよう対策してほしい」と求めた。県保健体育課は「学校管理下で生徒が傷害を負った大変残念な事故。責任があった部分はきちんと示している。管理職研修などで事例報告し、安全を徹底したい」とコメントした。

 提訴は15年10月。訴状などによると13年1月、打撃練習後に部員らがボールを片付けていると校外コーチが打撃を始め、男性の左眼球近くに打球が直撃。男性は眼窩(か)骨折などのけがを負い、左目視力が0・08まで低下し、視野狭窄(きょうさく)になった。男性側は、野球部の監督や部長は練習方法の安全に配慮する義務に違反したと主張していた。(中部報道部・下地由美子)