FM沖縄は18日午後9時から、戦後70年企画特別番組ラジオドキュメンタリー「一枚の写真~1944年10月13日宮古島~」(55分)を再放送する。捕虜となった名も知らぬ米兵の写真を届けたいという持ち主の女性の思いを受け、8年かけて氏名を突き止めて親族に手渡すまでを、音声で丁寧に描いた意欲作だ。

「一枚の写真」を手にする山川セツ子さん。手前は「シャッターを切る」と記された1944年10月13日付の日記=那覇市安里の自宅

 那覇市の山川セツ子さん(90)は宮古島に住んでいた71年前、捕虜となった米兵を目撃、日本兵からその写真をもらった。米兵の写真所持はスパイの疑いをかけられる可能性もあったが、保管し続けた。折に触れ「命の尊さ、重さは変わらない。親族にぜひお渡ししたい」と気に留めてきたが、手がかりは日記に書かれた撮影日だけだった。

 これを聞いた次男で、FM沖縄の山川悦史放送制作部長が8年前、ラジオで情報提供を呼び掛けたが、米兵の氏名を特定することはできなかった。急転したのは2年前。協力を申し出た東京在住で戦史家の鎌田実さんが、米兵の名はケネス・フリン少尉(享年22)であることを突き止めてから。連行された首里でも目撃者が多数いるなど後の人生が次々と明らかになっていく。

 セツ子さんは「遺族がおおらかな気持ちで受け入れてくれたのでほっとしました」と肩の荷を下ろしている。

 リスナーからは再放送を望む声が届いた。FM沖縄で初めてドキュメンタリー番組を制作した山川部長は「いろいろな立場を超えて、戦争や平和について考えるきっかけなってほしい」と聴取を呼び掛けた。

 18日からは、FM沖縄のホームページから、ストリーミングで写真や関連資料なども見られる予定。