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[大弦小弦]発生から23年が過ぎた阪神大震災の復興は…

2018年1月23日 07:36

 発生から23年が過ぎた阪神大震災の復興は「成功物語」として語られることが多い。なのに今、被災者に提供した借り上げ復興住宅の入居期限20年が過ぎたとして、自治体が住民に退去を求める訴訟を次々と起こしている

 ▼被告の多くが高齢者で、すでに退去命令が出た人もいる。継続入居の条件は、兵庫県と神戸市、尼崎市が「85歳以上」「要介護3以上」、西宮市と豊中市は一切認めない。自力再建が困難なお年寄りの命綱を断とうとしている

 ▼明治憲法と異なり、日本国憲法が示す民主主義の原則は主権在民と人権の尊重だ。だが、民のために官や国があるとの考え方はなかなか浸透せず、「上意下達」の政治がまかり通る

 ▼安倍晋三首相は22日の施政方針演説で、改憲議論の本格化を国会に求めた。「権力者を縛る」ための憲法について、最高権力者の首相が見直しを促すのは筋違いな話だが、なぜ今か

 ▼改憲に前のめりな姿勢とは対照的に、やりたい放題の米軍に歯止めをかける日米地位協定そのものの改正には触れなかった

 ▼復興住宅2221戸に住む被災者も、米軍機の墜落や不時着、部品落下におびえる県民も、安心して暮らす権利がともに保障されていない。これを危機とせず、緊急に手を打たないのは憲法違反だ。改憲を急ぐ前に、待ったなしでやるべきことはたくさんある。(磯野直)

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