泡盛製造に欠かせない黒麹(こうじ)を沖縄県内で唯一製造・販売する石川種麹店(北谷町、渡嘉敷みどり代表)が、泡盛出荷量の減少を受け、黒麹を使った新商品開発を進めている。クエン酸を豊富に含む健康ドリンク「黒麹玄米」を昨年から本格販売。黒麹を使ったチーズやパンも県内企業と共同開発しており、新たな収入源の確立を目指している。渡嘉敷代表は「琉球大学など研究機関と連携した別の新商品も模索している。黒麹の可能性を追求していきたい」と意気込んでいる。(政経部・下里潤)

石川種麹店が開発した黒麹玄米ドリンクを紹介する渡嘉敷みどり代表(左)と渡嘉敷正司副代表=北谷町の同店

 同社は1956年の創業以来、泡盛メーカーに黒麹を出荷している。2001年にテレビドラマなどの影響で沖縄ブームが到来し、04年には泡盛の出荷量がピークを迎えた。

 黒麹の生産が追い付かなくなったため、06年に北谷町内に新工場を建設。しかし、泡盛の出荷量は次第に減少し、黒麹の出荷量もピーク時の3分の1程度に減少した。

 苦境に立たされた同社は、自家用として飲んでいた玄米ドリンクを商品化した。

 「黒麹玄米」は、国産玄米に黒麹を入れて発酵させた清涼飲料で、素材から引き出した甘さが特徴。

 美容や疲労回復などが期待されるアミノ酸やクエン酸を多く含んでおり、北谷町でキャンプを実施するプロ野球の中日ドラゴンズ関係者など、スポーツ選手らが購入しているという。

 100ミリリットル入り500円の通常サイズに加え、昨年末に50ミリリットル350円も発売。外国人観光客への販売にも力を入れ、英語と中国語のパンフレットも作成した。

 渡嘉敷代表は「黒麹は健康食品として無限の可能性がある。沖縄の風土が育んだ天然素材を国内外の人に味わってほしい」と話した。