米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関連して、沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会の複数の委員が、移設事業を受注した業者から寄付を受けていたことが明らかになった。

 生物多様性豊かな海を守る砦(とりで)となるべき専門家が、事業を行う業者との関係を疑われているのである。第三者機関として最も大切な信頼性が損なわれたのだから、名前の挙がった委員は即刻、辞任すべきだ。

 環境監視委は昨年4月に設置された。13人いる委員のうち中村由行委員長(横浜国立大大学院教授)ら3人が、就任前後に50万円から800万円の寄付金を受け取り、別の1人は受注業者の関係法人から年間200万円の報酬をもらっていた。

 関係した委員は「不適切だったとは考えていない」、業者側は「学術研究を目的としたもの」と話すが、一般の受け止め方とはズレがある。

 利害関係にある業者からの資金提供が何を意味しているのか。そのことで発言がゆがめられてはいないか。中立性・公平性が疑われるようでは、もはや第三者機関とは呼べない。

 原子力規制委員会などでは外部有識者から意見を聞くにあたって、直近3年間に関係業者から年間50万円以上の報酬を受け取っていないかなどをチェックする仕組みがある。透明性の確保を国民に示すためだ。

 今回、防衛局は委員への寄付の事実を知っていたのか。事前に申告を求めなかったのか。その責任も問われている。

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 環境監視委をめぐっては、これまでも多くの問題が噴出している。

 過去5回開かれた会議は非公開で、議事録も要旨だけを、委員長以外は名前を記さずに公表するというやり方だ。第2回の会合では要旨の公表まで9カ月も要した。

 県民の多くが関心を寄せる問題にもかかわらず、これでは会議の内容を知ることができず、適切な助言が行われたかのチェックもできない。

 一方、防衛局が投下した大型コンクリートブロックがサンゴを傷つけていた問題では、判断に必要な情報が委員に提供されないなど、科学的検証に耐えうる議論ではなかったことも指摘されている。

 さらに防衛局が環境監視委に配った資料を改ざんした問題も発覚。基地建設ありきの委員会運営に副委員長が抗議するなど内部もめちゃくちゃだ。

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 そもそも埋め立て申請の前段階の手続きとして実施された辺野古アセスは、オスプレイ配備を最終段階までふせるなど情報隠しが露呈し、専門家から「史上最悪」と言われた。

 その後、仲井真弘多前知事は埋め立てを承認するが、その際、国に要求したのが環境保全対策としての環境監視委の設置だった。委員会自体にこれだけ問題があるのだから、前知事の承認の正当性にもあらためて疑義が生じる。

 議事録を全て公開し、委員会の存続も含め、内容を一から検証する必要がある。