残念な知らせに気持ちがふさいだ。22日に死んだ沖縄こどもの国の子ゾウ「琉美(るび)」のこと。母親の琉花と寄り添う姿や愛くるしいしぐさはだれをも魅了した

▼琉美は、2015年に初めて県内で飼育するゾウのカップルから誕生。園にとっても、交尾から妊娠、出産までの過程を記録し、今後の繁殖計画に生かせる貴重な事例となった

▼動物園では、その生態や生命について学ぶことができる。詩人まどみちおさんは、多くの詩を通して、動物だけでなく、植物でもそれぞれの個性を持って生かされていることの素晴らしさを説いている

▼有名な童謡「ぞうさん」。まどさんはこう解説する。「お前は鼻が長い」と言われたら、悪口にも聞こえるかもしれない。だが、ゾウはうれしそうに「そうよ、母さんも長いのよ」と答える。これはゾウとして生かされていることを誇りに思い、喜んでいるからだと

▼童謡に込められた意味を知ると、動物の一員の人間として生かされていることを感じずにはいられない。そういえば、琉美も長い鼻を大きく振って愛嬌(あいきょう)を振りまいていた。きっと胸を張っていたのだろう

▼懸命な処置にもかかわらず、飼育員・職員に見守られて息絶えたという。命のはかなさや尊さ、生と死について改めて教えてくれたこと、多くの人を笑顔にしてくれたことに感謝したい。(赤嶺由紀子)