9秒でまるわかり!

  • 辺野古のジュゴン保全策は環境監視委の2委員の研究を基に作成
  • 共に研究を進めた受注業者が監視委の運営も請け負っていた
  • 事業に関係の深い研究者らが、第三者としてチェックする構図

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、天然記念物ジュゴンの保全計画が、国の建設工事を監視する「環境監視等委員会」の荒井修亮委員(京都大学教授)、原武史委員(全国水産技術者協会理事長)の研究成果を基に作られていたことが20日、分かった。一方で監視委の運営は、両委員と共に研究を進めていた環境コンサルタント「いであ」(東京都)が請け負っていた。同社は計画策定段階から関連事業を多数受注しており、保全策の妥当性を審議する監視委の独立・公平性がいっそう問われそうだ。

 全13委員のうちジュゴンの専門家は両委員のみ。計画策定から実施までに関係の深い研究者や受注業者が、事業の適正運営をチェックする側にも関与していたことになる。

 ことし6月の第5回会合で審議されたのは、両委員と同社が共同研究で開発した「ジュゴン監視・警戒システム」などのジュゴン保全策。ジュゴンの鳴き声を探知して位置を把握し、接近が確認されれば工事を一時中止する計画で、議事要旨によれば委員から異論は出なかった。日程上の理由で荒井委員は欠席した。

 一方、同社(共同企業体含む)は2006年度から環境影響評価業務などを複数請け負っていた。14年度には同システムを運用する事業で計9億円を請け負う一方、システムの実効性などをチェックする監視委の運営業務も受注。委員に対する事前説明や、議事要旨の作成を担っていた。

 本紙の取材に、同社は「公正・独立の精神のもと業務を遂行している。(監視委業務は)運営補助で、事業を監視やチェックする立場にない」と回答。荒井委員は「問題があるかないかを含めて言及する立場にない」とした上で「良かれと思って過去10年の研究成果を提案してきた。(ジュゴン以外の)異なる専門的立場から他の先生方も審議している」とした。

 同社は監視委発足後、関連9事業で18億9452万円を受注し、この全てが随意契約。10年には防衛省OBが天下りしている。

 両委員は環境影響評価の補正(修正)作業でも、防衛省に助言する有識者委員会の委員を務めていた。監視委就任決定後には、荒井委員が同社から800万円の寄付、原委員が同社関係法人から年間200万円の報酬を受け取ったことが明らかになっている。