3月11日投開票の石垣市長選挙は、3選を目指す保守系現職の中山義隆氏(50)に対し、反発する一部保守層の擁立した自民党県議の砂川利勝氏(54)が出馬表明し、保守分裂が確定的となった。自民党本部や県連は現職で一本化しようと動いたが思惑は崩れた。新人で革新系市議の宮良操氏(61)も出馬予定で、三つどもえになる情勢だ。

(資料写真)石垣市役所

■二階幹事長も要請

 「常識的に考えて保守が分裂して三つどもえなら共倒れだ」。自民県連幹部は危機感をあらわにする。

 20、21の両日、西銘恒三郎衆院議員が石垣入りし、中山、砂川の両氏との調整に臨んだ。市平得大俣で進む陸上自衛隊配備計画の是非が最大の争点となる見通しで、23日には党本部の二階俊博幹事長が砂川氏を呼び、「安全保障を確保する観点から大局的な見地で保守分裂を回避してほしい」と要請していた。

 自民関係者は「官邸は相当ピリピリしている。石垣は国防、国策にも関わり、このままで終わるはずがない」と困惑。県連幹部は「自民の推薦は現職の方向。砂川氏が勝つのはかなり厳しい」と指摘する。

■埋まらない溝

 「これまでの総括もせず、現職ありきでは納得できるわけがない」。保守分裂の予兆が表面化したのは昨年12月23日。中山氏擁立を決めた自民党石垣支部内で、砂川氏に近い市議の反発が噴出した。

 支部内の溝は、砂川氏が初当選した2012年の県議選で、中山氏が別の保守系候補を支援したことに端を発する。14年の副市長人事では、中山氏が与党系に事前相談なく提案したことで一部が反対に回り、否決するなど確執が広がり、「反中山」派が具体化した。16年6月の市議会では陸自配備推進派の請願採決を巡り意見が割れ、自民会派が一時分裂した。

 さらに砂川氏に近い自民関係者は、公明支持層を意識した中山氏が陸自受け入れの「最終判断」を保留する「曖昧な態度」も一部保守系の不信を招いた-と指摘する。

 砂川氏の出馬表明に、中山氏の関係者は「想定内」と平静を装い、現職の2期8年間の実績で「支持を固めている」と自負する。一方、砂川陣営は昨年末から水面下で動き、票の切り崩しを続けている。

 自民県連の幹部は「降りるに降りられない状況だろうが、現職県議は重要な存在。調整を続ける」と述べた。(八重山支局・新垣玲央、政経部・銘苅一哲)