透明性を欠いた組織や情報公開が不十分な組織は、一度市民から疑われだしたら、信頼を回復するのが難しい。沖縄防衛局が設置した「環境監視等委員会」はもはや死んだも同然だ。

 名護市辺野古の新基地建設に絡み、防衛局発注の関連工事を数多く受注する環境建設コンサルタント会社が、環境監視委の運営業務まで受注していたことが分かった。

 同委員会は環境保全の面から工事をチェックする立場にあり、資料や議事要旨の作成、委員に対する事前説明などに携わっていたという。

 専門家による委員会は、埋め立てを承認する際、仲井真弘多前知事が国に設置を求めていたもので、環境保全対策を進めるための担保と位置づけられていた。

 環境監視委の運営業務を受注した環境建設コンサルタントの「いであ」(本社東京)は監視委発足後、ジュゴンの監視業務など9件、計18億9452万円を受注していた。そのすべてが随意契約だったという。

 ジュゴンの生態に詳しい京都大学教授の荒井修亮委員は、「いであ」から計800万円の寄付を受けた。

 全国水産技術者協会理事長の原武史委員は、同社の関係法人から年間200万円の報酬を受け取った。ほかにも2人の委員が受注業者から寄付を受けている。

 琉大名誉教授の東清二副委員長は環境監視委では「環境保全はできない」と指摘し、辞任を表明している。組織の内情は無残なほどバラバラだ。

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 環境影響評価(アセスメント)や、アセス後の環境保全措置に求められるのは、「情報公開」と「説明責任」、さらに付け加えれば、市民の参加を可能とする体制づくりである。

 だが、米軍基地建設を目的とした今回の環境アセス関連作業は、そのすべてにおいて後ろ向きだ。

 住民の関心の高さ、辺野古沿岸部の環境的価値の高さを考えれば、委員会を公開するのが筋であるが、防衛局は会議を公開していない。議事録の一部を要旨の形で発表しただけである。昨年6月の会議の議事録要旨は公表までに9カ月もかかった。

 誰がどのように発言したかも分からず、環境監視委での議論がどのように生かされたのかも検証できない。

 防衛局・受注業者・一部委員の「持ちつ持たれつ」の関係が明るみに出た以上、監視委を同じやり方で運営していくのはもはや不可能である。

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 第1回の議事要旨の中に次ような委員発言がある。

 「(基地を)設置する以上は環境が悪くなることは仕方ないことで、その中で最大限、どういったことができるかということを助言することが、この委員会の目的である」。こういう発言自体、多くの県民は「よそ事のような態度」だと受け止めるだろう。基地建設のための環境悪化は、沖縄にとって、「仕方ない」ではすまないのだ。

 委員会の議事録を全面公開した上で、まずは防衛局自身に説明責任を果たすよう求めたい。