◆僅差勝利、勢いづく現職

 「カリーをもらおう」

65票差の大接戦だった南城市長選。当選確実となりバンザイして喜ぶ瑞慶覧長敏氏(中央)

 23日、稲嶺進氏の後援会事務所。南城市長選で保守系現職に勝利した瑞慶覧長敏氏が現れ、数分後に翁長雄志知事も到着。名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の主役3氏が手を握り合った。

 瑞慶覧氏は稲嶺氏と市内を遊説し、総決起大会でエールを送るなど陣営の盛り上げに一役買った。

 翁長知事も大会の3時間前から市内で街宣。「南城で『オール沖縄』の瑞慶覧氏が当選した。政府が道路などを造っても、新基地があれば平和な生活が失われる」と市内20カ所の演説で南城での勝利を強調した。

 陣営関係者は「瑞慶覧氏は縁起がいい」。市民目線で戦った手法も参考になるとし、声掛けや企業訪問を徹底する考えだ。

 辺野古の賛否を示さない新人、渡具知武豊氏の「争点隠し」にも批判の照準を絞る。市長選と同日投開票の市議補選にはヘリ基地反対協の安次富浩共同代表を擁立。関係者は「セット戦術で基地という争点を再浮上させたい」と話した。

 渡具知氏を推薦した公明党支持者にも基地建設に拒否感を持つ層がいると分析。公明批判は慎重に避け、票の取り込みを狙う。

◆想定外、新人側は危機感

 「この票差を見てください。同じ結果になったら死んでも死にきれないですよ」。南城市長選で現職が65票差で敗れた衝撃は、渡具知武豊陣営に広がった。南城の投開票翌日の22日朝、陣営幹部は渡具知氏に危機感を持つよう進言した。

 陣営関係者は「南城市の敗北は想定外。勝利して勢いに乗るはずだった」と誤算を語る。陣営では今、先手必勝でこなしてきた企業回り、地域回りを再度徹底するよう指示が飛び交う。「社長だけでなく従業員にまで支持を固めきれているのか。地域回りもやったつもりで済ませてはいけない」(同)。

 政府との協調路線で財源確保を目指し、給食費、保育費無料化などの目玉政策で支持を訴える渡具知氏。「現市政2期8年の閉塞感は広がっている。現市長にはない施策を市民は求めている」と手応えをみせる。

 推薦を決めた公明県本の金城勉代表は「市長権限で辺野古問題を左右することにはならない。基地問題も重要だが市民生活全般も重要だ」と強調。公明市議2人の強い要望を踏まえ推薦を決めたとする。支持母体・創価学会会員や支持者を全県規模で投入し、票の掘り起こしを図る。

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 2月4日投開票の名護市長選へ立候補予定の現職の稲嶺進氏(72)、前市議で新人の渡具知武豊氏(56)が激しい前哨戦を繰り広げている。両陣営の動きや争点を追う。(名護市長選取材班)

<決戦・名護市長選 2【オール沖縄と自公】に続く>