子育て中の女性の起業やキャリアアップを支援する動きが広がりつつある。産休育休中にスキルアップを図りたくても、子連れで気軽に学べる場が少なかったことから、当事者たちが自ら開設、運営に乗り出すケースも出てきた。沖縄は女性の新規開業率が高く、出産を機に新たな事業を模索する動きも活発だ。女性の起業を支援する沖縄ビジネスインキュベーション・プラザの能塚善之代表理事は「趣味や特技を仕事にする人が増えている」と、支援の必要性を強調した。(政経部・下里潤)

ママスペースBeeで子育てと女性の活躍について意見を交わす翁長代表(右)と立ち上げメンバーの渡部さん=西原町

 西原町にある「ママスペースBee」(翁長有希代表)は昨年11月に一軒家を改装しオープン。育児中の30代後半の女性4人が立ち上げた。

 「子育てをハンディキャップからチャンスに変える」をテーマに、主に子育て中の親を対象としたセミナーや会合などを開く。赤ちゃんと簡単な手話やジェスチャーで意思疎通を図る「ベビーサイン」や、絵本を効果的に読み聞かせる「EQ絵本インストラクター」などの講師養成講座があり、子育てに関係する仕事をしたい女性のスキルアップを支援する。

 立ち上げメンバーの一人、渡部真由美さん(39)は「ママが楽しみながら自分らしい生き方を模索できる場にしたい」と意欲を見せた。翁長代表も「30代後半で第一子を出産する人が増えている。子どもがいてもキャリアアップを諦めなくてもいい環境づくりが大切だ」と話した。

 幼い子どもと一緒に参加できるよう、授乳室やミルク用ポットなども備える。出産を機に起業を考える女性も多く、施設内のレンタルスペースを仮店舗として活用してもらい、事業化リスクの低減も図れるという。

 沖縄振興開発金融公庫がまとめた「沖縄公庫取引先からみた新規開業の現状2015」によると、2013年度の新規開業者の女性の割合は23・7%で、全国平均より7・7ポイント高い。業種は飲食サービス業や生活関連サービス業が多くなっている。

 県内には「沖縄ガールズスクエア」(那覇市)など同じ目的の施設がある。ガールズスクエアを運営する能塚氏は「幼い子どもと一緒に女性が活動できる場はまだ少ない。子育て女性の起業ニーズは高まっており、支援施設の増加は望ましい」と話した。