再開発事業が進められている那覇市泉崎の旧バスターミナル跡から、9月下旬に、軽便鉄道の那覇駅の一部とみられる遺構が出土していたことが21日までに分かった。同地区には2018年までに地下1階、地上11階建ての複合施設を建設予定で、市文化財課は事業を進める旭橋都市再開発などと調整し、対応を協議したいとしている。

軽便鉄道の那覇駅。中央に丸い転車台が見える(那覇市歴史博物館提供)

転車台とみられる遺構が見つかった建設現場=21日、那覇市泉崎

軽便鉄道の那覇駅。中央に丸い転車台が見える(那覇市歴史博物館提供) 転車台とみられる遺構が見つかった建設現場=21日、那覇市泉崎

 見つかった遺構は、当時の写真などから、車両を方向転換させる際などに使う転車台(ターンテーブル)とみられる。直径約10メートルの円形のれんが積みで、当時は那覇駅の構内にあった。一部が壊れており、同課は沖縄戦や旧バスターミナル施設の建設工事で壊されたと推測する。

 同課は5月に敷地内を試掘し遺構が残っていないか確認したが、発見されなかった。9月下旬に同社がモノレール旭橋駅側の歩道を撤去し、地面を掘ったところ、深さ約0・8~1メートル地点から発見された。

 軽便鉄道は1914年に那覇-与那原間が開通し、那覇を起点に嘉手納、糸満の3路線が通った。44年の10・10空襲で大破した後も軍事列車などに使われたが、翌3月の空襲で破壊され、使用できなくなった。

 これまで那覇市内で駅舎の一部が見つかったことはなく、同課の担当者は「断定はまだできないが、本物なら沖縄の鉄道や交通産業にとっての史料となる」と期待している。