「子どもロコモ」って知っていますか。ロコモティブシンドロームとは運動器(骨や関節、筋肉、神経血管など)の異常で体を動かす能力が低下し、介護を受けなければならないような状態になりそうな状態のことを言います。子どもの時期にも運動器機能低下でロコモティブシンドロームと同様な危険性を秘めた状態が子どもロコモと呼ばれています。

 2016年4月から小中学生の運動器検診が始まりました。学校検診では子どもの成長発達の異常、メタボリック症候群を早期に発見し、生活習慣病を予防し健康的な生活が送れるよう子どもの頃からの意識付け、指導に生かされています。運動器検診は子どもの運動器に生じている異常を早期に見つけ、ケガをしにくい体づくりに活用されます。

 昔から子どもは元気に飛びまわり、走りまわっており、体も柔らかく、敏捷(びんしょう)で転んだりしないとか、転んでもケガをしないと考えられていました。ところがちょっとした段差で転んだり、転んでも手が出ず顔面を打って大けがをしたり、体が固いため、しゃがんでする日本式トイレに入れないなどのお子さんが増えています。小さい頃から外で遊びまわる機会が減り、屋内でゲームやスマホ、テレビを見て過ごす時間が増えているのが原因といわれています。学校が終わっても塾に通い遊ぶ時間も減っている子も多くなりました。学校の登下校も車での送迎が多くなり以前とは全く生活習慣が変わってしまっています。

 現在子どもたちは体を動かす機会が減り、運動器検診で異常を指摘されることも多くなりました。以前は側弯(そくわん)症で問題になることが多かったのですが今は、片脚立ちができない(バランス能力の低下)、腕が上がらず、前かがみで手が床につかないとかしゃがんだ時、後ろに倒れてしまうなど体の硬さが目立っています。ある県で小学生の運動器検診を行ったところ、ひとつ以上の異常を認めた生徒が45%に上ったとの報告もあります。こうした体の硬さやバランス能力の低下は、ちょっとしたことで転倒して骨折などのケガをする要因となっています。子どもにはうんと体を使って遊びまわれる機会、場所を作ってやりたいものです。

 一方スポーツのやりすぎで肘や肩を痛めたり(投球障害、野球肘)、疲労骨折したり、肉離れや、成長軟骨の炎症(オスグットシュラッター病、シーバー病など)のため、運動を控えるよう指導せざるをえないこともあります。指導に当たる方にはぜひ適切な運動量を考慮して子どもたちの体を守っていただきたいと考えます。(上原敏則・ロコモクリニック南城)