学校の教科書でまずその名を覚え、明るい太陽の光とともにインプットされた画家の私生活は、なんともロマンチックだが、同じくらいにスキャンダラスだった。

映画「ゴーギャン/タヒチ楽園への旅」

 ゴッホとの数週間の共同生活が破綻した後、ゴーギャンは妻子と決別し、タヒチへ赴く。そこで知り合った少女テフラとの愛の生活は刺激的で、彼女をモデルに数々の作品を仕上げていくが生活の糧にするには程遠かった。

 生活の場をより不便な奥地へと求め、その生活は過酷で、食べ物にも事欠き、若い妻がねだる教会用の1枚の服さえも新調してやれず、ただ取りつかれたように絵を描く。

 タヒチと聞いて思い描く、燦燦(さんさん)と降り注ぐ太陽と、原色の衣装をまとってほほ笑む女たちの姿はどこにもない。あるのは描く事そのものが生きる事だった、1人の男の苦悩だ。(スターシアターズ・榮慶子)

◇パレットで1月27日から上映予定。