【平安名純代・米国特約記者】米ハワイ州でことし5月に起きた海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故で、米航空専門誌「アビエーション・ウィーク」は19日、着陸の際に巻き上げた砂が原因でエンジン出力を喪失し、着陸に失敗したと報じた。事故機と編隊を組んでいた別の機体も出力を失い、事故を起こす寸前だったことも判明。オスプレイの運用に不安を残す内容となった。

 同誌が入手した海軍航空システム司令部作成の初期調査報告書(9月作成)によると、着陸の際に巻き上げた砂に含まれていた鉱物がエンジンの燃焼室で溶けてタービン翼に固着し、地上から約45メートルの高度で左エンジンが出力を喪失。操作不能の状態に陥り墜落した。

 同誌は、2013年8月にネバダ州で起きた墜落事故を含め、巻き上げた砂が原因で着陸に失敗したケースは少なくとも3回あると指摘。

 10年4月にアフガニスタンで発生した空軍仕様のCV22オスプレイの墜落事故についても、人為的ミスではなく、砂によるエンジン出力喪失だった可能性を示唆している。

 海兵隊はこうしたケースを回避するため、着陸の際に砂ぼこりが起き、60秒以内に着陸できない場合は着陸を中止するよう飛行規則で定めていたが、ハワイの事故を受け、30秒以内に短縮するなど規則を厳格化していた。エンジンの砂を除去する吸気口フィルターの改良版も開発中だが、17年までかかる見通しだ。

 ハワイの事故では2人が死亡し、20人が負傷。海軍安全センターは被害規模を最も重大な「クラスA」に指定している。米軍当局は現在も事故原因は調査中としており、詳細は公表していない。

 米軍事専門誌「ブレイキング・ディフェンス」は7月にハワイの事故について、着陸直前に約45秒程度ホバリング(空中停止)した際に左エンジンが砂ぼこりを吸い込んで停止。右エンジンも砂を吸い込み出力が低下し、着陸に失敗したなどと伝えていた。