沖縄・鹿児島両県のサトウキビ農家や行政職員らが意見交換する「2015年度さとうきび・甘蔗(かんしょ)糖関係検討会」(主催・農畜産業振興機構)が22日、那覇市内で開かれ、農林水産省の担当者が、環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意のうち、砂糖に関する合意内容を説明した。参加者からは、砂糖に他の素材を加えた加糖調製品の輸入拡大による影響を懸念する声や、対策を求める意見が出た。大筋合意後、政府側が県内で内容を説明するのは初めて。

TPP大筋合意の結果や今後の課題、対応策などについて、農水省担当者の説明に耳を傾ける農業関係者ら=22日午前、那覇市久茂地・タイムスホール

 協定発効後も、安価な輸入原料糖に調整金をかけて価格を上げ、国産糖との価格差を埋める糖価調整制度は維持されるものの、加糖調製品は輸入が拡大される。

 農水省の担当者は、糖価調整制度の対象外である加糖調製品の輸入が増え、「砂糖の需要に影響を与える可能性はある」と説明。「今後の対策を検討しなければならないと考えている」と述べた。

 関係者からは「砂糖の需要減に伴って輸入糖が減れば、それにかかる調整金も減ってサトウキビ農家への交付金にまで影響するのではないか」との指摘や、「加糖調製品の輸入増による影響を低減する対策を講じてほしい」とする意見が上がった。

 農水省の担当者は「今後、制度の安定的な運用に向けて対策を検討していく」と答えた。

 説明を聞いた伊是名村さとうきび生産組合の末吉満組合長は「説明が十分とはいえないし、発効後の影響もまだよく見えない」と不安感を吐露。「交付金の財源である輸入糖の調整金が減り、交付金を下げられないかが一番心配だ」と強調した。

 石垣市さとうきび生産組合の次呂久栄重組合長は「ある程度の懸念は払拭(ふっしょく)されたが、まだまだ不安を持っている農家は多い」とした上で、「不安を抱えると増産も難しい。より丁寧な説明が必要ではないか」と話した。

 説明した農水省の担当者は取材に対し、「今後も生産者や関係団体と顔を合わせる機会が多い。その都度、TPPに関する質問があれば丁寧に答えていきたい」とした。

 検討会には、沖縄・鹿児島両県の生産者や製糖工場職員ら約200人が参加した。