【伊江】沖縄本島北部の離島や遠隔地を中心に民間救急ヘリを運航するNPO法人MESHサポート(小濱正博理事長)のヘリで救急搬送され、産院到着後わずか10分で出産した伊江村西江上の知念英香さん(28)と夫の伊吹さん(29)が14日、無事に出産できたことを関係者に報告した。「わが子が無事に生まれてきたのはMESHサポートのおかげ。本当にありがとうございます」とお礼の気持ちを伝えた。

MESHヘリの搬送で無事に出産ができたと報告した知念夫妻と娘の愛寿ちゃん=伊江村西江上の知念さん宅

 英香さんの出産は当初10月初旬の予定だった。しかし、38週目に入った9月22日の午前9時半ごろ、自宅でおなかの痛みを感じた。初産の英香さんは「これが陣痛なのかな」と、出産に備えて午後1時発の定時フェリーで名護市のかかりつけの産婦人科に行く準備を始めた。

 だが午前10時半を過ぎたころに痛みがピークになり、村立診療所に駆け込んだ。診察した医師は、出産が間近に迫り、フェリーでは間に合わないと判断。同サポートにヘリを要請。10分後にヘリは伊江島に到着し、名護市内の北部地区医師会病院の場外離着陸場まで英香さんを約7分で搬送、さらに陸路で同市内の産婦人科に救急搬送した。その間も同乗した医師から「すぐに病院に着きますから安心してくださいね」など声を掛けられ、英香さんは「すごく安心できた」と振り返る。

 産婦人科到着後わずか10分というスピード出産で、午後0時2分、体重2418グラムの女の子、愛寿(あず)ちゃんが元気な産声を上げた。

 同サポート運航セクションリーダーの藤田原野(げんや)さんは、知念夫妻の報告に「私たちスタッフは地域間の医療格差をなくし、住環境を良くしたいとの思いで、できることを精いっぱいお手伝いしているだけ。愛寿ちゃんが元気に生まれて良かった」と喜びの笑顔。その上で「MESHサポートは多くの方に支援していただき運営が成り立っている。沖縄独特のユイマールの心があるおかげ」と感謝を述べた。

 同サポートがなかったら一体どうなっていたか今考えても不安で鳥肌が立つ、と話す知念夫妻は「MESHサポートは、救急患者はもちろん、離島に住む妊婦の皆さんにとっても心強い味方だと実感した。これからも存続できるよう微力ながら応援していきたい」と語った。(屋嘉比りさ通信員)