インフルエンザが大流行している。全国で過去最多の283万人。県内でも患者数は増加を続け、流行のピークを迎えているとみられる。学校閉鎖も出ていて、患者は圧倒的に子どもが多い

▼取材でも「子どもがインフルエンザで…」という人が増えている。働く親にとっては大変な事態である。会社を休むか預け先を探すか。どちらも容易にはいかない現状がある

▼以前取材したひとり親家庭の父親は4人の子どもが次々とインフルエンザにかかり、看病のため10日足らずしか働けず、月収が4万円になったと話した。子どもの病気で休みが続き、解雇された母親もいた

▼社会活動家で法政大教授の湯浅誠さんはかねて社会の「溜(た)め」の大切さを訴えている。大きな溜め池を持っている地域は少雨になっても慌てない。逆に溜め池が小さい地域では少し日照りが続くと田畑が干上がり、深刻なダメージを受ける

▼溜めはお金であったり、人間関係であったり、公的セーフティーネットであったり。子どもがインフルエンザにかかった親にとっての溜めは、病気の子を預かる受け皿の充実、医療費の窓口無料化、理解ある職場などだろうか

▼子育てを支える溜めが大きな社会でなら、不測の事態もスムーズに乗り越えられるはず。溜めは社会の「ゆとり」や「優しさ」とも言い換えられる。(高崎園子)