米軍ヘリの不時着が相次いでいることについて、米海兵隊のネラー総司令官は25日、事故を未然に防ぐための予防的着陸だったとして「非常に素直に言って良かった」と述べた。

 ワシントンで開かれたシンポジウムでの発言である。「誰も負傷しなかったし、機体も失わなかった。私は心配していない」とも語った。

 ハリス米太平洋軍司令官も9日、ハワイで小野寺五典防衛相と会談した際、「一番近い安全な場所に(機体を)降ろす措置に満足している」と述べている。

 2016年12月、オスプレイが大破した名護市安部海岸での事故は、「クラスA」に分類される重大事故だった。ところがニコルソン四軍調整官は、集落を避けて海岸に「不時着」させたパイロットの技量をたたえ、県民をあぜんとさせた。

 04年8月、米軍ヘリが沖縄国際大構内に墜落炎上したときは、ワスコー在日米軍司令官が「ベストな対応」だと言い放った。

 これらはすべて「軍の論理」である。米軍高官の共通認識だと言っていいだろう。

 事故やトラブルが多発し住民に大きな不安を与えているにもかかわらず「軍の論理」で正当化するのは、占領者意識というしかない。

 住民は、憲法第13条で保障された平穏な日常を求める権利(幸福追求権)を脅かされているのである。

 事態は極めて深刻なのに日米双方から伝わってくるのは県民感情を逆なでする「不適切発言」ばかりだ。

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 内閣府の松本文明副大臣は25日、共産党の志位和夫委員長が衆院本会議の代表質問で米軍機事故などに触れた際、「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。

 開いた口が塞(ふさ)がらない。まるで問題を起こした米軍よりも県民を責めるような口ぶりである。

 この程度のことで大騒ぎするなと言いたかったのか。

 村営ヘリポートにAH1攻撃ヘリが不時着したばかりの渡名喜村の桃原優村長は記者団に語った。

 「もし人が死んでいたら、あなたはどうするのだと聞きたい」

 共産党が記者会見でこの発言を取り上げ問題が広がったため、松本氏は26日、急きょ安倍晋三首相に辞表を提出し、受理された。

 あっという間の辞任劇の背景にあるのは、28日に告示される名護市長選である。

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 米軍高官の発言といい、松本氏の国会でのヤジといい、両者には共通する点がある。

 代々そこで暮らしてきた人びとの生活感情や米軍基地を巡る歴史の記憶、基地被害の実態にあまりにも無頓着で、住民目線を決定的に欠いている点だ。

 政府に対する不信感と失望感は広がる一方だが、絶望している場合ではない。日米は地元沖縄の動きを注意深く観察しており、「まだこの程度」と思っている間は、大きな変化は起こらないだろう。

 政治を動かすには大きなうねりをつくり出すことが必要だ。