日本の児童ポルノや児童買春の状況調査の一環で来沖した国連特別報告者のマオド・ド・ブーア・ブキッキオさんは沖縄県庁で23日、琉球大学教育学部の上間陽子准教授と沖縄タイムスの與那覇里子記者から県内の状況について報告を受けた。性風俗産業やインターネットを通じて性被害の危険性にさらされる未成年の現状や、社会の問題が指摘された。

関係者から県内の児童買春の状況について聞くマオド・ド・ブーア・ブキッキオさん(右から3人目)=23日、那覇市・県庁

 上間准教授は、性風俗産業で働く若者の状況を報告。性風俗産業で働く若者が増えている背景について、日本で若者の非正規雇用が増加していることや、女性の収入が男性に比べて低い状況が続いていることを指摘した。沖縄における貧困の問題を挙げ、所得が全国平均の約7割にとどまることや、15歳から19歳の若者の非正規雇用の比率は84・5%で、全国平均(69・4%)よりも高い状況を説明。若年出産が多いことも特徴の一つに挙げた。

 県内でことし7月から9月にかけて発生した20件の性犯罪や、過去にあった集団女性暴行事件についても報告した。

 県内の性風俗産業で働く若者の調査から、10代半ばで仕事を始め、結婚と出産、離婚後に子どもを育てるため再び風俗産業に戻った女性のケースなど複数紹介。「ほとんどの子が貧困問題を抱えている。あるいは教室に居場所がなく、友人関係が結びつきにくい女の子が男性と接近した結果、性犯罪につながるケースがある」と述べた。

 また、家庭にトラブルを抱える子どもが多いことに「日本では家族がいいものとされていて、子どもは家族の問題を外に出せない。『語ってもいいんだ』ということへの理解を広めないといけない」と訴えた。

 県内の児童買春を取材した與那覇記者は、ソーシャルメディアと児童売春の関係性について報告。インターネットのコミュニティーサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って、未成年が性犯罪に巻き込まれる事例を説明した。

 県内の出会い系サイトで、業者が少女を装って書き込み、買春をあっせんしている事例を紹介。スマートフォンの位置情報の機能を利用して少女と接触を図る出会い系アプリでも、性被害に遭う未成年者が増えているという。

 業者が10代の少女を狙い、利用する理由について「未成年は性の体験や社会経験が少ないため、業者は仕事をさせやすい」と説明した。

 「少女買春はこれまでも通信機器の発達と連動して、発展してきた。インターネットはツールであり、ネットだけに焦点を当てては子どもたちを守ることはできない。また、買春をする男性側への非難は聞こえず、社会の監視が機能していないことも問題」と強調した。

 今回の調査を経て、日本への勧告と、来年3月の国連人権理事会に最終調査報告を提出する予定。