那覇市内の中学校で2011年10月、校長のパワーハラスメントでうつ病を発症して退職を余儀なくされたとして、当時教頭だった60代女性が同市に対し慰謝料や逸失利益など計約4752万円の賠償を求めた訴訟の判決が30日、那覇地裁であった。森鍵一裁判長は「行き過ぎた言動で、原告に強い精神的苦痛を与えた」と校長の違法な公権力の行使を認定。市側に対し、約622万円の支払いを命じた。

那覇地裁

 判決によると、各教科主任の年間指導計画や評価基準の作成状況をとりまとめるよう校長から指示を受けた教頭が進捗(しんちょく)を報告しようとしたところ、校長に「言い訳ばかりするな」などと大声で叱られた。

 その後も校長は教頭を校長室に呼び出し、「こんなこともできないのか」「能力がない」などと言い放ったとも認定。校長は教職員を適切に監督する立場にあったにもかかわらず、地位や権限を利用した一方的な言動に及んだと指摘した。

 その上で「病気休職した原告は復職後も心身の不調を来していることがうかがわれ、校長の言動とうつ病との間には相当因果関係が認められる」と判示した。その後発症した認知症との因果関係は認めなかった。

 原告側は「市は判決を重く受け止め、再発防止に取り組んでほしい」とコメント。市側は控訴について「判決内容を十分検討した上で対処する」と述べるにとどめた。