国の基準に基づき、市町村が条例で設置・運営基準を定める放課後児童クラブ(学童クラブ)で、施設の広さを「1人当たりおおむね1・65平方メートル以上」とする国の基準の定員を超えて児童を受け入れている学童クラブが、沖縄県内10市町村にあることが沖縄タイムスの調査で分かった。県内では条例制定前から運営している民営クラブが多く、基準を順守すると待機児童が増えてしまうジレンマも指摘されている。(学芸部・座安あきの)

学童クラブがある27市町村の条例適用状況

需要増、整備追い付かず

 国の放課後児童健全育成事業を実施する27市町村のうち、定員超過クラブがあるのは那覇市、浦添市、宜野湾市、うるま市、南城市、糸満市、豊見城市、八重瀬町、南風原町、今帰仁村の10市町村だった。

 児童福祉法で学童保育の実施責任は市町村にあると定められている。那覇、浦添、宜野湾の3市は定員超過を把握しているが「広さ測定の定義が定まっていない」「クラブごとの実際の利用人数を把握していない」などの理由で、全クラブの定員と利用人数の差を十分調べていなかった。

 県内は保護者などが運営する民営の学童クラブが多く、民間住宅やアパート、店舗などを転用した施設が大半。働く親が増え、学童の需要は年々高まっているが、その伸びに施設整備が追い付かない現状がある。

 設置基準を順守すると、定員が制限されて待機児童が増えるため、学童クラブによっては「待機」を出さないために可能な限り希望者を受け入れ、定員超過が常態化しているところも少なくない。待機問題が解消されないまま、子どもたちの安全や適切な保育環境の確保を後回しにせざるを得ない状況にある。

 県学童保育連絡協議会の謝花博一会長は「学童クラブ単独での設置基準への対応には限界がある。基準を満たせる移転先の確保から移転費用負担まで、行政の支援と関与が必要。公設の施設を早急に増やし、民間が移転できるよう各市町村へ働き掛けていきたい」と運営に携わる保護者の声を代弁した。

 沖縄タイムスは昨年10月、国の放課後児童健全育成事業を実施する27市町村を対象に調査を実施。11月までに全市町村から回答を得た。