沖縄美ら海水族館は30日、同水族館で飼育している9歳のオスのナンヨウマンタをモニタリングした結果、ナンヨウマンタが生後約5年で繁殖能力を持つ大人になることを世界で初めて立証したと発表した。ナンヨウマンタは、長期間の飼育に成功した事例が少なく、野生の個体の観察も難しいため、成長過程や行動の変化を追った調査報告がなかった。

モニタリングの結果、大人になったことが確認されたオスのマンタ(沖縄美ら海水族館提供)

 モニタリングしたのは、2008年6月に同水族館で生まれたマンタ。誕生直後から外部形態の変化や血中のホルモン濃度などを細かく記録。その結果、生後約5年で性成熟を示す男性ホルモンの濃度が急上昇したり、「クラスパー」と呼ばれる交尾器官が急成長したりすることが確認された。

 オスのマンタは現在、海上いけすで飼育されており、順調に成長しているという。同じ水槽にいるメスとの交尾も確認された。

 ナンヨウマンタは個体数の減少が懸念されているが、調査研究は海での目視調査など断片的な情報に頼っており、平均寿命など生態については分かっていないことが多いという。

 水族館の担当者は「種の保存のためにも重要な研究。親子や孫など世代をつなぐマンタの家族が水族館で見られるよう、飼育と研究にさらに力を入れたい」と話した。

 研究成果は昨年10月に国際学術誌「BMCズーロジー」で発表された。