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  • 泡盛の製造に使われる黒麹菌。源流が沖縄にある可能性が高い
  • 世界の黒麹菌44種の遺伝情報を比較、泡盛の菌は沖縄由来の菌株のみ
  • 別の調査で沖縄発祥・固有と報告があったが、遺伝子学的にも裏付け

 琉球大学農学部の外山博英教授(応用微生物学)らの研究グループはこのほど、泡盛の製造に使われる黒麹(こうじ)菌が沖縄に源流がある可能性が高いことを遺伝情報から解析した。

(イメージ写真)泡盛

 泡盛の黒麹菌はこれまで、別の研究者らの調査で、沖縄で発祥した固有のものとした報告例があるが、遺伝子学的にもその可能性が裏付けられた。

 外山教授らは酒造りなどに使われる世界中の黒麹菌44種の菌株の全遺伝情報を比較し、ルーツを調べた。その結果、泡盛に使われる黒麹菌の系統には沖縄由来の菌株しか見つからなかったという。

 黒麹菌の株の分化は約500年前から加速していることも分かった。泡盛は約600年前から製造が始まったとされることから、人が泡盛醸造で発酵を繰り返すことで、分化が早まったとみられる。

 研究グループは外山教授のほか、食品研究開発のバイオジェット(うるま市、塚原正俊代表)、酒類総合研究所(広島県)の山田修氏らで構成。2014年から研究を進めてきた。研究結果は、1日午後2時から那覇市の県立博物館・美術館講堂で開かれるシンポジウムで報告される。

 微生物としての黒麹菌研究が始まったのは1901年ごろで、学名は琉球にちなんで「アスペルギルス・リューチューエンシス」と命名された。その後、複数の研究者が分類体系を提唱し、沖縄以外の黒麹菌の呼称にも使われるなど混乱。2013年に山田氏の提唱で当初の学名を復活させ、泡盛製造の黒麹菌に統一した。