【大宜味】山間の里の押川に昨年10月ごろから集落内の家々を訪ね、食べ物をねだるイノシシがいる。

食べ物をねだりに来た野生のイノシシと食パンをあげる仲本達さん=大宜味村押川

 「ウシチャードゥ(押川堂)からまた、あり(あいつ)が下りてきた。声のする家へ来るからね」。同区の仲本達さん(80)の家にイノシシがやって来たのは18日の午後3時。裏庭の畑にはカボチャとシークヮーサーが植えられており、たわわに実った木をくぐって1頭が姿を現した。体長約70センチ、見た目の体重は10キロほど。

 ミカン畑の草刈りを終え庭のベンチでひと息ついていた仲本さんは「また来たか。ヤーサー、シチョウーサヤ(おなか空いたのか)」とビスケットを1枚差し出した。尻尾を振るイノシシは空腹なのかビスケットだけでは足らない様子だ。「ナー、ウッサ(もうこれだけ)」と言ってもおねだりポーズ。今度は食パン1枚をあげると、その場でぐるっとひと回りして山へ戻った。

 仲本さんによると5年前にも1頭が山を下りてやって来たことがあるという。その時は庭のベンチで「ニンタイ、ウキタイ、ヤーナレーシタ(寝そべってなついた)」。

 ことし初めにもウリ坊がムタバル(六田原)にやって来た。仲本さんは「山に食べ物がないからだろう。餌付けをしてはいけないが、痩せた体を見るとかわいそうでね」と話した。

(玉城学通信員)