楽しみながら身体機能の維持や認知症予防に効果があるとされている福祉レクリエーション。子どもから高齢者までの幅広い交流も深まるという。今のところ福祉施設や福祉関係者には普及しているが、一般的にはあまり浸透していない。識者は「福祉レクは年齢や体力に関係なく、健康維持や仲間意識の向上に役立つ。学校や地域などで幅広く活用できる」と普及に期待する。(豊田善史)

安謝保育園の園児と福祉レクレーションを楽しむ安謝老人デイサービスセンターの利用者=26日、那覇市・日赤安謝福祉複合施設

スティックを使用した福祉レクをする沖大の学生ら=沖縄大体育館

宮本晋一教授

安謝保育園の園児と福祉レクレーションを楽しむ安謝老人デイサービスセンターの利用者=26日、那覇市・日赤安謝福祉複合施設 スティックを使用した福祉レクをする沖大の学生ら=沖縄大体育館 宮本晋一教授

 那覇市の日赤安謝福祉複合施設・安謝老人デイサービスセンターでは、週に1回、安謝保育園の園児たちが同施設を訪れ、脳トレや体操などの福祉レクで利用者と交流を図る。

 レク係が、答えになる名称のヒントを出していき、利用者がパートナーの子どもと考えていく連想ゲーム「私はだーれ」。

 「アジア生まれです」「食べ物です」「色は緑や黄色です」とヒントを出すと、子どもたちは「バナナ」と元気よく答える。

 デイサービスを利用する古堅幸子さん(87)は「友人や子どもたちとの交流は元気になる。レクは適度な運動にもなり、毎日楽しんで参加している」と話す。

 60歳以上が集まり、健康保持や地域活動の担い手を養成する県かりゆし長寿大学校(那覇市首里)では約2カ月に1度、レクリエーションの授業をする。

 2チームで競い、木の丸棒を下手で投げ、相手陣内の角材を倒していく福祉レク「クッブ」やフォークダンスなどを実施。

 石嶺隆さん(68)=那覇市=は「体に負担をかけず、全員で参加できるのがいい。運動不足の解消にもなる」と話した。

 沖縄大の福祉文化学科では、福祉レクの授業を取り入れている。

 数人以上が横一列に並び、左端から1人2本のスティックを持ち、トントンのリズムに合わせてスティックで床を突き、ぱっと離して素早く体を左へ移動し、何回続けてキャッチできるかを楽しむキャッチング・ザ・スティック。参加した2年生の山城正太さん(20)は「掛け声のリズムを調整したり、隣との距離を短くしたり皆で工夫している。岐阜から編入学したが、レクを通して友人が増えた」と笑顔。

 指導する高齢者の健康寿命延長を研究する宮本晋一教授は、沖縄らしい福祉レクの考案やアレンジも手掛ける。

 宮本教授は「福祉レクをしていると皆、自然と笑顔になる。楽しいことは継続につながる。世代間交流にもなり、筋力や脳をバランスよく鍛えられる理想的な運動だ」と強調した。

 福祉レクの普及活動をしている県福祉レクリエーションネットワークでは、2カ月に1度、福祉施設の関係者らが集まり、勉強会を開いている。事務局長の久場勝子さんは「施設の利用者が楽しみながら生活訓練できる福祉レクの必要性は高い。もっと県内で福祉レクを広めていきたい」と意欲を見せた。