【名護市長選取材班】新基地建設や市民生活向上の政策で論戦が繰り広げられている名護市長選は1日、最終盤の「三日攻防」に入った。現職の稲嶺進さん(72)と、前市議で新人の渡具知武豊さん(56)の両候補は市内各地に繰り出して市民と触れ合い、公約と支持を訴えた。

有権者と握手を交わし支持を訴える(左から)稲嶺進さんと渡具知武豊さん=1日、名護市内

【稲嶺進さん】8年の実績を強調

 午前5時前に起床し風邪予防のショウガ湯を飲み体を温め、日課である児童の交通安全指導に立った稲嶺さん。同8時に選挙カーへと飛び乗って支持を訴えた。昼食は、支援者の差し入れた野菜で作ったチラガー炒め、大根とニンニクの葉のみそ汁など。午後一番には羽地で「名護を一大観光地に。平和の使者パンダを呼ぼう」と力を込め、支援者一人一人に駆け寄って握手を交わした。

 演説を聞いた糸数静代さん(72)は、老人ホームにいる沖縄戦体験者の姉(89)を連れて期日前投票に行ったことを稲嶺さんに報告。「平和で静かな名護を守って」とエールを送った。

 急きょ名護入りした翁長雄志知事と共に、屋我地で演説。夕方は城間幹子那覇市長やパンダの縫いぐるみと一緒に東江の十字路に立ち、子育て環境の整備に力を注いだ2期8年の実績を強調した。「平和あっての経済や教育、福祉。子どもたちに新基地の危険でなく、夢や希望を与えるのが私たち大人の責任だ」と声を振り絞った。

【渡具知武豊さん】市民生活向上誓う

 渡具知さんは午前中、企業のあいさつ回りや辺野古、豊原、久志の久辺3区でスポット演説に臨んだ。午後1時半には小雨が降る市宮里の国道58号に立ち、道行く車両に手ぶり。「演説しすぎてのどが痛い」と苦笑いを浮かべながらも、クラクションを鳴らして支持を表明する運転手に笑顔を返していた。記者団には「閉塞(へいそく)感を感じている市民が多い。残り3日の選挙戦、市民生活向上の公約を訴えたい」と力を込めた。

 午後5時には東江の十字路で演説し、給食費や保育料の無料化など子育て支援策を強調。「若い人の夢や希望があふれる、日本一住みやすい名護市にする」と声を振り絞った。

 応援弁士の小渕優子衆院議員は「沖縄は景気がいいが名護市に届いていない。それを変えるのが渡具知さんだ」と訴えた。

 演説に聞き入っていた大嶺千代子さん(73)は「基地ノーだけでは暮らしていけない。観光や経済を発展させてくれる渡具知さんに期待したい」と語った。