沖縄県出身バンドHYのボーカル、新里英之のソロプロジェクト「Hide’s Music Story~prologue」沖縄公演が1月27日、那覇市のライブハウス、トップノートであった。アコースティックギター1本でHYの曲の数々を弾き語るシンプルなスタイル。それぞれの曲にかける思いやメンバーへの愛情を、温かみのあるハスキーな歌声で伝えた。(学芸部・天久仁)

歌の生まれたエピソードを交えて進んだ新里英之のソロライブ=那覇市・トップノート

 HY結成18年目で新里自身初のソロツアーは昨年12月に東京からスタート。軽快なロックナンバー「この物語」で始まった沖縄公演では「いっしょにすてきな物語をつくっていきましょう」と最初から飛ばし気味ながら「やばい、テンション上がりっぱなし」と涙を拭う一幕も。

 ライブは曲が生まれた背景やバンドのエピソードを一つ一つ回想する形で進んだ。大好きな故郷、うるま市与那城屋慶名の海をイメージした「Ocean」は、デビュー前「このメンバーとやれるところまでやってやろう」と海に誓った思い出の歌だという。

 個性豊かなHYのメンバー抜きのライブだが、ボーカリスト、新里の存在感はいつものとおり。一方、バンドで常に隣にいる仲宗根泉のパートを観客が口ずさむ場面では、ステージにHYのメンバーがいるのではないか、との感覚を抱かせた。 

 5年前、新レーベルを立ちあげた転機を振り返りながら歌った「オーレ」はバンドと新里自身への応援歌。「これから10年、20年続けるには何が足りないのか。深く考えた時期だった」と振り返り「走れ、走れ、走れ、限界まで」と振り絞るように歌った。

 終盤の「エール」「弱虫」では観客が総立ちで新里の熱唱に応えた。アンコールでは客席でコンサートを楽しんでいたHYのギタリスト、宮里悠平が飛び入り参加するサプライズもあり、2人による「ホワイトビーチ」でライブを締めくくった。