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  • 辺野古新基地で知事が「国地方係争処理委員会」に審査を申し出た
  • 国の関与が違法と認めれば必要な措置を講じるよう国に勧告する
  • 県が審査結果に不服の場合、高等裁判所への提訴を検討する考え

 翁長雄志知事は2日、名護市辺野古の新基地建設で、知事の埋め立て承認取り消しの効力を停止した石井啓一国土交通相の執行停止の決定を不服として、総務省所管の第三者機関「国地方係争処理委員会」(係争委)に審査を申し出た。翁長知事は沖縄県庁で記者会見し、「国交相の決定は違法な関与行為だ」と説明。「沖縄県の決意を広く国民や世界に示したい」と意義を強調した。菅義偉官房長官は同日の会見で「法令に基づいて適切に対応していく」と述べた。

国地方係争処理委員会への審査申し出について、記者の質問に答える翁長雄志知事=2日午後4時44分、沖縄県庁

 係争委は国と地方自治体の紛争を処理する機関で、申し出から90日以内、1月31日までに審査結果を報告する。国の関与が違法と認めれば、必要な措置を講じるよう国に勧告する。県が審査結果に不服があると判断した場合、会見に同席した法律顧問の竹下勇夫弁護士は高等裁判所への提訴を検討する考えを示した。

 県は審査申し出の理由について、国民(私人)の権利利益の救済を目的とする行政不服審査法で、国の機関である沖縄防衛局が知事の取り消しの効力を停止するよう国交相に申し立てたのは不適法で、国交相は却下すべきところ、執行停止を決定したことは違法であると主張した。

 公有水面埋立法では私人と国の区別を明確に規定していることや日米安保条約の義務を履行するための埋め立てで国家の立場が明白であるなど、防衛局が「私人」ではないという点を集中的に指摘している。

 また、憲法で内閣は一体で統一的な行動を求めていることから、防衛局の申し立てを同じ内閣の国交相が判断することは「公正、中立という行政不服審査制度の前提を欠落している」と訴えた。

 一方で、地方自治法245条3は、国が地方自治体に下す裁決や決定を係争委の審査対象から外している。今回のケースで国交相の決定は対象外で、県に申し出の資格はないという見方がある。県は係争委に対し、適法な裁決、決定が大前提で、国交相の決定は違法であり、是正するために適切な措置を講ずるべきと勧告を求めている。