英国の公共放送BBCのベテラン女性記者が、男性同僚との賃金格差に抗議して編集長の職を辞した。キャリー・グレイシーさんは30年以上のキャリアがあるベテランで、BBC中国の初代編集長として活躍していた

▼男性の北米編集長と中東編集長が、グレイシーさんと女性の欧州編集長より50%以上高い報酬を得ていたことが分かり、辞任という行動で訴えた

▼日本の男女の賃金はどうなのだろうか。気になって調べた。国税庁の2016年の調査によると、非正規を含む年間平均給与は女性が280万円で、男性521万円の半分にとどまる。フルタイムで働く労働者の賃金も女性は男性の7割ほど

▼経済協力開発機構(OECD)が12年に発表した報告書によると、男女給与格差は29%で先進30カ国中ワースト2位。子育てをしながら働く女性では61%に開き、平均の22%を大きく上回ってワーストだった

▼結婚や出産で離職したり、パートなど短時間労働の選択を余儀なくされる女性は多い。共働きで夫と同じように働いていても家事や育児の負担は減らず、仕事も家事もこなす“スーパーウーマン”になることを求められる

▼成果より長時間働くことを評価する企業文化の中で、長く職場にいられない女性はキャリアアップの面で不利になってきた。不平等の構造が足元にある。(高崎園子)