福祉や教育団体の代表、学識経験者らでつくる県子どもの貧困対策に関する検討会の山入端津由会長(沖縄国際大学教授)らが2日、沖縄県庁を訪れ、翁長雄志知事に提言書を手渡した。県が本年度に取りまとめる推進5カ年計画に、子どもの貧困を自己責任論ではなく、社会全体で取り組む課題であるとの視点を入れることを提起。返済義務のない給付型奨学金制度の創設など教育や生活、就労、経済の各分野から幅広い支援策を盛り込んだ。

子どもの貧困対策の視点

 県内の子どもの貧困率は、ひとり親世帯の多さや生活保護や進路未決定、非正規就業の率の高さなどから全国平均16・3%を大幅に上回ることが予想される。提言はこうした課題に対応する形で、教育や生活を支援する人材確保など具体的な改善策が盛り込まれた。

 山入端会長は「貧困の連鎖」から抜け出るため就学支援の必要性を挙げると同時に、子どもの自己肯定感や社会への信頼感を育む施策が必要だと指摘した。

 翁長知事は「推進計画や調査をしっかりやって実のあるものにしたい」と述べ、内容を尊重して計画を作る考えを示した。

 検討会は7月から10月まで4回の会議を開き、児童養護施設を経験した当事者や若者の居場所づくりを支援するNPO代表らを含む幅広い現場の意見を取りまとめた。県は今後、子どもの貧困に関する初の県調査も踏まえ、年内に計画素案をまとめる予定で、年明けにパブリック・コメント(意見公募)を実施する。