鹿児島銀行(鹿児島市、上村基宏頭取)が沖縄支店を開設し、沖縄県内で営業を始めてから1カ月が過ぎた。9月28日の支店開店から1カ月間で、相談件数は千件を突破。6割を住宅ローン相談で占める。同支店は「順調な滑り出し」と評価。今後は企業向け融資まで業容を広げる方針だ。一方、「本来の目的は鹿児島、宮崎企業の海外展開支援」と説明。県内地銀とは融資競争だけでなく、企業支援での協力を模索する考えを強調した。(照屋剛志)

開店から1カ月が過ぎた鹿児島銀行沖縄支店=2日、那覇市銘苅

 「来店客がひっきりなしに訪れ、とても人手が回らない」。同支店の担当者はうれしい悲鳴を上げる。

 同支店では鹿児島から2人を増員し、16人態勢で1カ月間を乗り切った。金城明支店長は「沖縄での認知度が不安だったが、予想以上の反応」と喜ぶ。住宅ローンは約70件、約20億円分が審査に進んだという。相談窓口を増設するため、店内のレイアウト変更の検討を始めた。

 企業からの問い合わせも多数寄せられているといい、「この勢いで企業向け融資にも広げていきたい」と意気込む。

 同支店を訪れたという30代の会社員は「鹿銀のチラシで年利1%を切った金利を初めて見た。借り換えを検討している」と話した。「県内も競争で金利が下がっていくだろう」と県外からの新規参入効果に期待した。

 一方、県内地銀3行は「今のところ特に影響は出ていない」と口をそろえる。担当者は「新規客が多くて、既存客への攻勢に手が回っていないのでは」と推測する。「支店が1店舗できただけ。行員の人数も限られており、金利競争も全県には発展しないだろう」と今後の影響も限定的になると見通す。

 金城支店長は「沖縄進出の最大の目的はANA国際貨物ハブを活用した鹿児島、宮崎企業の海外展開の後押し」と強調。沖縄企業と鹿児島、宮崎企業とのビジネスマッチングや、県内で開催する商談会への出展など、さまざまな場面で「沖縄経済に詳しい地元行と協力する可能性がある」と述べた。

 「鹿児島、宮崎の農畜産物が沖縄を経由すれば、県経済の活性化にもつながる」とし、短期的な金利競争だけでなく、長期的な協調戦略も模索する考えを示した。