【名護市長選取材班】「新基地建設ノー」「市民生活向上を」。激しい政策論争が交わされた名護市長選は3日、現職の稲嶺進さん(72)と、前市議で新人の渡具知武豊さん(56)の選対本部がそれぞれ打ち上げ式を開いた。辺野古新基地建設や経済、生活などの公約を有権者にアピールし、最後の1票の掘り起こしに協力を訴えた。

ガンバロー三唱で気勢を上げる稲嶺進さんの支持者=3日午後6時分、名護市大北

ガンバロー三唱で拳を突き上げる渡具知武豊さんの支持者=3日午後5時30分、名護十字路

ガンバロー三唱で気勢を上げる稲嶺進さんの支持者=3日午後6時分、名護市大北 ガンバロー三唱で拳を突き上げる渡具知武豊さんの支持者=3日午後5時30分、名護十字路

稲嶺選対 辺野古阻止へ力込め

 「新基地は絶対止められる。諦める必要ない」。稲嶺選対の打ち上げ式は名護市大北の十字路であり、イメージカラーの青ののぼり旗を掲げた支持者で交差点の四隅が埋め尽くされた。

 「ススム」コールに迎えられ、期間中に応援で連日名護入りした翁長雄志知事と登場した稲嶺さん。応援演説に立った「オール沖縄会議」の呉屋守將共同代表は「辺野古を第二の普天間にしてはいけない」と拳を握り、名桜大4年の小波津義嵩さん(22)ら学生も「基地を造らせたくない」と支持を呼び掛けた。

 稲嶺さんは「子育て支援などの公約はほぼ実現した。ただ一つ、通信簿で『5』をもらえないのが新基地問題だ」と力を込め、市政継続を訴えた。新基地問題に最も時間を割き「辺野古を認めるか、認めないか。それが争点だ」と声を張り上げると、観衆から指笛や拍手が鳴り響いた。

 支持者の声 基地頼らぬまちづくり

 3人の子を連れ、演説に聴き入った保育士の大兼久美和さん(38)は「子どもたちのために基地は要らないという稲嶺さんの思いに共感する」と拍手。「2期8年の着実な実績を見て、真の政治家だと思った。安心して暮らせる名護にしてほしい」と願いを込めた。

 稲嶺さんと約30年の付き合いがある大北区の玉城君子さん(67)は「全く裏表がなくチムグクルがある」と太鼓判。再編交付金に頼らないまちづくりを目指す姿勢に「自立した足腰の強い発展を実現してほしい。彼に3期目を任せれば名護はもっと良くなる」と期待した。

渡具知選対 変革へ市政奪還誓う

 「力を結集し、名護市を変えよう」。渡具知選対の打ち上げ式は名護十字路で開かれ、渡具知さんは歩道や市営市場を埋めた支援者に「市政奪還」を誓った。

 ロングビーチリゾート構想や給食費無料化などの公約が張られた特設ステージに、渡具知さんは選挙期間中ずっと着用した緑色のジャケット姿で登壇。推薦する自民や公明、維新の議員演説の後、次女の志織さん(18)がマイクを握り「若者が戻り、仕事ができる環境を父につくってもらいたい」と訴えると、大きな拍手が湧き起こった。

 渡具知さんは拳を握りながら「協議すべきは国と協議し、市民生活のために頑張ることに尽きる」と市長の役割を強調。「現職の8年間で取り残された名護市を、みんなの力で取り戻そう」と力を込めた。妻の由利子さん(51)、志織さんと手をつなぎ、支援者の声援に応えていた。

支持者の声 発展や医療充実に期待

 候補者のぼりを掲げた会社員の中原勝利さん(22)は「基地問題だけが争点ではない。市民生活を豊かにするという公約が分かりやすい」と支持理由を語る。若者の間ではインターネットの無線LANサービスの整備に期待があるとして、「利用しやすい中心街にしてほしい」と託した。

 渡具知さんの地元、許田区の翁長美和子さん(59)は「若い女性が里帰り出産をしたくても北部の医療体制が不安でできない」と不満を述べ、「渡具知さんなら医療や経済を変え、住みやすい名護市にしてくれる」と期待を込めた。