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  • 各指標から浮かび上がる子どもの貧困、沖縄の環境は深刻だ
  • 非正規雇用が多く所得が低い。低進学率で補導件数は多い
  • 専門家「沖縄社会の問題。県民運動として取り組むべきだ」

 沖縄県は、有識者でつくる県子どもの貧困対策検討会による提言を2日に受け、子どもの貧困対策策定作業を本格化する。12月までに初の実態調査を実施し、県内の子どもの貧困率を算出する予定だ。国の子どもの貧困率は6人に1人に当たる16・3%。県の貧困率は国を上回ることが確実視され、これまで明らかになっているさまざまな指標から県内の深刻な実態が浮かび上がる。

子どもの貧困に関する指標

 子どもの貧困の背景にあるのが親の貧困だ。県の最低賃金は全国最低額。非正規就業者率が全国1位で、仕事に就く世帯のうち年間所得200万円未満の割合は全国の3倍近い24・7%と、ワーキングプア(働く貧困)層が厚い。

 特に厳しいのがひとり親世帯。働き手が1人と2人では世帯収入が違う。特に女性は非正規雇用が多く、生活のため複数の仕事を掛け持ちする人も少なくない。

 ひとり親世帯の貧困率は54・6%(全国)と高い。県内は離婚率が全国一、母子世帯出現率は5・46%と全国の倍で、県全体の貧困率も高いと予測される。

 子どもに直接関係する指標では、進学率は高校、大学とも全国一低く、家庭の経済事情で諦める子も多いとみられる。中学・高校卒業後の進路未決定率もともに全国一、不良行為少年補導人数が全国一多い。

 検討会委員で沖縄子ども貧困解消ネットワーク共同代表の山内優子さんは「親が不在がちだと子どもは生活リズムが崩れて不登校になったり、寂しさから非行に走ったりする。親の支援が重要だ」と指摘する。

 一方、県の生活保護率は2・5%で全国5位、学用品代や給食費を補助する就学援助率は19・26%で全国10位で、必要な家庭や子どもに支援が十分行き渡っていない可能性もある。山内さんは「子どもの貧困は沖縄社会の問題。県が主導し県民運動として取り組む必要がある」と訴える。