翁長雄志知事ら「オール沖縄」勢力と政府与党の自民が激しい攻防戦を展開した名護市長選は、自民が公明、維新と推薦した新人の初当選を勝ち取った。名護市辺野古の新基地建設問題が最大争点となった名護を制したことで、辺野古の争点化が必至の知事選での県政奪還に大きな一歩を踏み出した。辺野古に反対する「オール沖縄」勢力はこれまで名護市の反対を後ろ盾としてきただけに、大きな痛手を負った。(政経部・銘苅一哲)

当確を決め、取材陣に囲まれ質問に答える渡具知武豊氏=4日午後10時33分、名護市大南の選挙事務所(下地広也撮影)

 自民は1月の南城市長選で推薦した現職が敗れ、全県選挙の際に力を発揮する保守系首長「チーム沖縄」の中心人物を失ったが、新たな主役を得た。政党の枠組みは4年前に自主投票だった公明との協力を再構築し勝利のカギを握った。維新を加えた新たな体制は知事選の土台となりそうだ。

 公明県本は辺野古に反対の立場を取りつつ「市長に工事を止める権限はない」として辺野古容認の自民と同じ候補を推薦した。一方で、埋め立て承認の撤回という最大の権限を持つ知事を選ぶ選挙では名護と同じ理論は当てはまらず、辺野古反対の立場と選挙対応の整合性が求められる。

 「オール沖縄」勢力は辺野古反対の民意を示せなかったが、相手候補は辺野古の態度を明確にしなかったため民意は積極的な「容認」と言えず、工事が進んでいることへの有権者の諦めという側面が大きいとみられる。

 昨年10月の衆院選では、4選挙区のうち3選挙区で「オール沖縄」勢力の辺野古反対の候補者が勝利した。知事選に向け、新基地建設阻止の具体性を全県的に広められるかが迫られる。