沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、翁長雄志知事は、埋め立て承認取り消しの効力を停止した石井啓一国土交通相の決定などに対し、公開質問状を6日に送付する方針を固めた。同日午前の記者会見で内容や理由を説明する。取り消しの無効化に向けた代執行手続きで、国交相の是正勧告を拒否する文書も同日送る。

翁長雄志沖縄県知事

 石井国交相が行政不服審査法の効力停止の決定で沖縄防衛局の立場を「私人」と認めながら、地方自治法に基づく代執行手続きでは防衛局を「行政機関」と位置づけ、使い分けていることなどの見解を問うとみられる。

 県には、国と主張が分かれ、平行線をたどる一方、法律的には国側の言い分が受け入れられる形で、防衛局が辺野古の埋め立て工事に着手するといった現状に危機感がある。

 質問状には、法的な回答義務はないとみられるが、県側の疑問を投げ掛けることで、県民や国民に主張の違いを分かりやすく伝える狙いがある。

 代執行手続きでは、取り消し処分を6日までに取り消すよう求めた国交相の是正勧告に文書の中で「県の取り消しは適法で、勧告には応じる考えがない」ことを示す。

 知事の勧告拒否を受け、国交相は週明けにも期限を定めて、是正指示を出すとみられる。地方自治法では期限内で指示に従わなければ、高等裁判所に提訴することができる。翁長知事は「取り消しは適法」との立場を貫く意向で、指示にも応じない考えだ。国交相は早ければ、今月中にも提訴する情勢だ。

 高裁は15日以内に第1回口頭弁論を開くことになる。関係者によると、翁長知事は日程の都合がつけば、自ら意見陳述する意欲を示している。そのため、12月中旬にも知事が法廷に立つ可能性がある。

 知事は取り消し理由に挙げた埋め立ての必要性が具体的に検証されず、環境保全策も十分ではないと強調。沖縄に基地の集中する歴史的な経緯をたどり、これ以上の負担を受け入れられず、負担の固定化につながる新基地建設は国土利用の合理性に欠けるなどと訴えることになりそうだ。