環境保護に取り組むNGO団体グリーンピースの船「虹の戦士号」(オランダ船籍、855トン)が、沖縄総合事務局に辺野古沖の停泊申請を却下され、一夜明けた5日。世界各国のメンバー280万人の思いを乗せた「戦士号」は那覇新港に漂ったままだ。「辺野古に少しでも近づきたい」の一点で同団体は名護湾沖の停泊も申請中。命の海を守るために。世界中に辺野古の今を発信するために-。

カーリー・トーマスさん(グリーンピースニュージーランド・海洋生態系担当)

アンジェロ・ムスコさん(イタリア・航海士)

シュアン・フアンさん(台湾、乗組員)

カーリー・トーマスさん(グリーンピースニュージーランド・海洋生態系担当) アンジェロ・ムスコさん(イタリア・航海士) シュアン・フアンさん(台湾、乗組員)

 辺野古沖での停泊を却下されたことに、同船のクルーからは「民主主義の否定だ」「環境破壊を隠そうとしている」と反発の声が上がった。上陸についても、福岡入国管理局那覇支局の許可が下りるまで79時間を要した。

 グリーンピース・ニュージーランドの海洋生態系担当、カーリー・トーマスさん(40)は「私たちは要請を受け、県民の民主主義を支えるためにきた。私たちの船を拒否することは、民主主義を拒否することと同じ」と訴える。カーリーさんは5日、陸路で辺野古のキャンプ・シュワブゲート前を訪れ、老若男女が声を上げていることに勇気をもらったという。「貴重な海を守ってくれて感謝している。沖縄で見聞きしたことを世界中に発信する」と約束した。

 「辺野古の現状を知られることを恐れている」と話すのはイタリア人の航海士、アンジェロ・ムスコさん(35)。新聞記事や映像でゲート前での抗議活動を見て、市民を対等な人として扱おうとしない機動隊の姿に憤りを感じたという。「県民の声を踏みにじり、美しい大浦湾を破壊している。この異常な事態を隠そうとしているのだろう」と指摘した。

 台湾人の乗組員、シュアン・フアンさん(32)は「私たちは日本政府を攻撃しに来たわけではない。基地建設で失われるものの重要性を知らせたいだけ」と訴えた。

 シュアンさんは「故郷、台湾では開発によりジュゴンは絶滅した。辺野古沖を訪れて、取り返しの付かないことになる前に見つめ直してほしいとのメッセージを訴えるつもりだった」と残念そうに話したが、すぐに前を見据えて「辺野古に行けなくても、ジュゴンは守らなくてはいけない。私たちのネットワークを使い、国際世論に呼び掛ける」と力を込めた。