ニートと呼ばれる若年無業者の割合が全国で最も高く、卒業後の進路が決まらない中高生の割合も全国一高いことが、県のまとめで分かった。データが物語るのは、深刻な「若者問題」である。その根は、孤立や貧困の中で暮らす子どもの問題と重なる。

 ニートとは、15歳から34歳までの若者のうち、仕事をしておらず、家事や通学もしていない人を指す。2014年の労働力調査によると、県内では同世代人口の約4・6%に当たる1万5千人が該当。全国平均2・1%の2倍を超える高さだ。

 自己責任論が頻繁に語られる社会でニートへの視線は厳しいが、現実には「働きたいけど、どうしたらいいのか分からない」「コミュニケーションが苦手で家にひきこもっている」「発達障がいがあり就職が困難」といった若者が相当数含まれる。支えになるはずの家族が、病気や貧困など問題を抱える複雑なケースも多い。

 ニートとつながっているのが進路未決定の高さだ。  

 14年度の学校基本調査から卒業後、進学も就職もしない進路未決定者の割合を比較すると、中学校が県内2・5%に対し全国0・7%、高校が県内12・1%対し全国4・4%。約3倍となっている。

 大学進学率の低さも影響しているのだろう。失業率や非正規雇用率の高さなど雇用環境の問題もある。

 「進路なき卒業」で懸念されるのは、学校や社会との接点を失い孤立する若者が増えることだ。

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 「NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい」の金城隆一代表は、本紙HP掲載の「タイムス×クロス」で、ニートの中にはひきこもりも多く、その半数以上に不登校経験があったことを紹介している。

 「公教育から外れた子どもたちは社会から孤立しやすい」「その子どもたちを放置すると、ひきこもりやニートに移行する確率が上がる」「就職できたとしても低学歴では不安定な就労が多く、生活困窮状態に陥る可能性がある」と指摘する。

 不登校という生きづらさのサインに、どう対応していけばいいのか。

 重要なのは子どもに近い学校の積極的な関わりだ。教育としての学力保障はもちろん、家庭に問題がある場合は、福祉や医療制度につなげていく連携が必要となる。

 不登校生徒の居場所づくりでは民間団体の取り組みが目立つが、その安定的な運営に公的機関も責任を果たすべきだ。

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 県子どもの貧困対策に関する検討会が今月2日、翁長雄志知事に手渡した提言書には「不登校やニート、ひきこもりの若者に対応する15歳以降の支援」「中卒者や高校中退者への職業訓練」が盛り込まれている。支援の隙間をつくらないようにという要請である。

 提言が大切にするのは、自己責任論ではなく、社会全体の問題とし取り組む視点だ。

 生きづらさを抱えた子どもと、その家族にも寄り添った伴走型の支援を求めたい。