保護者会運営の学童クラブでつくる浦添市学童保育連絡協議会(市連協・兵頭英行会長)が2017年に実施した調査で、市が定めた条例通りに定員を設定した場合、10校区で416人の待機児童が生じることが分かった。県が公表した17年度の浦添市の学童待機児童は1人で、大きな開きがあった。市連協の調査も参考に、浦添市は18年度から本格的な学童施設や利用状況の実態調査に乗り出す方針だ。調査は17年5月に市連協加盟31クラブの施設を対象に実施した。(学芸部・座安あきの)

市内学童クラブの定員を定めるため、浦添市が策定した「専用区画計測要領」。条例を順守し受け入れ児童数を適正規模にしていく方針

定員超過が常態化

 室内で子どもたちが過ごすスペースを「専用区画」といい、市町村条例で広さの基準は厚労省ガイドライン通り「児童一人当たりおおむね1・65平方メートル以上」と定められている。ただ、浦添市は同条例で19年度末までを基準適用の経過措置期間としている。期間中は公的施設を使った新設のクラブを増やす計画を進めながら、既存の学童には「待機」が出ないよう受け入れ協力を求めていて、1クラブ当たりの利用児童数が膨らんでいる。

 同市保育課の担当者は「保育所と比べて国の面積基準の考え方が明確ではなく、計測方法を定めるのに時間がかかった」と説明。各学童の定員を決めるため、「専用区画」の測定ルールを定めた計測要領を定め、1月から市職員による測定を始めた。

 市連協事務局長の島袋祐樹さんは「市の計測要領では、自主計測より専用区画が狭くなり、待機児童が市連協試算よりさらに数百人上乗せされる」と予想する。

 県内では浦添市のほか、那覇市や宜野湾市など児童数の多い自治体も、定員超過が常態化したクラブを多く抱えている。今後、各市町村で条例基準の順守や実態調査が進めば、施設や支援員不足の問題がさらに広がる可能性がある。

行政任せでなく

 浦添市連協は、校区別の学童利用児童数と必要な施設数の予測に役立てようと、昨年10月に利用ニーズを調べるアンケートも初めて実施した。対象は市内保育園・幼稚園の保護者約2700人で、18年度以降は市が同様の調査を行う方向で検討している。

 NPO法人県学童・保育支援センターの垣花道朗理事は、市連協が行政に先駆けて課題に向き合い、独自の調査結果を行政と共有したことを「県内でも、全国的にも先進的な事例」と評価する。

 浦添市内の学童クラブは保護者会運営が86%を占める。垣花さんは「学童を必要とする保護者のために、同じ保護者として何ができるかを考えた取り組み。行政任せではなくクラブがまとまって具体策を考え、調査していることが行政とのいい連携につながっている」とみる。

 各クラブの定員が決まり、条例の基準が適用される2年後には、定員を超えて申込者を受け入れることはできなくなる。同市は広い施設への移転費の助成や、家賃の満額補助、支援員の処遇改善などの支援策の検討を進めている。市の担当者は「施設面の改善に関する市連協の要望は優先度が高いと考えている。学童側と課題を共有し、実現できるよう協議していきたい」と前向きに取り組む姿勢を示した。