1979年から続いている中国の一人っ子政策の廃止が決まった。「1人だけ」から「もっと産んで」に大転換となる

▼「人口が増え続けると食糧危機になる」と主張し導入。今回は逆に人口減少は経済成長に悪影響だとしている。しかし、国家が産児制限する制度は当初から無理があり、廃止はあまりに遅過ぎる

▼夫婦ともに一人っ子で、子どもも一人っ子だという中国人の知人は「もともと一人っ子政策のリスクを考えないまま始めたおかしな制度」と話し、廃止を歓迎した。一人っ子が病気や事故で亡くなり、違法となる2人目の子が無戸籍の家庭も多く、対策はほとんど取られていないという

▼日本でも少子高齢化対策として来年4月から女性活躍推進法が施行される。表現はソフトだが、女性が働きやすい環境を国が整備するので、もっと出産してもらい人口を増やしたい、という意図が条文から透けて見える

▼確かに制度が十分に整わないために、出産を控える女性が多くいるのも現実だ。しかし、子どもを何人産むかはあくまで個人の選択の問題。国家が介入するのは、よけいなお世話だ

▼前例のない少子高齢化社会は日中ともに重要な政治課題。要は安心して子どもを産み育てる社会をつくることが国の役割ではないか。上からの強制ではない自然な方法を望みたい。(玉寄興也)