沖縄県石垣市真栄里の土木業者事務所で事務員の女性(52)=同市=が顔から血を流して倒れているのが見つかった事件で、女性の腕に抵抗した際にできる「防御創」とみられる傷があることが6日、捜査関係者への取材で分かった。沖縄県警は同日、殺人事件と断定し特別捜査本部を設置。県警本部の當山達也刑事部長以下66人態勢で捜査を進めている。

現場周辺で凶器など遺留物の捜索に当たる捜査員=6日午前11時半、石垣市真栄里

 捜査関係者によると、女性は事件が発覚した5日、事務所を訪れた関係者と午後3時ごろに業務の調整をしていたことが分かった。捜査本部は、同3時ごろから事務所内で倒れているのが発見された同5時ごろまでの間の犯行とみて捜査し、凶器の特定を急いでいる。

 刃物のような物で顔面などを複数回刺されている状況から、強い恨みを持った人物による犯行の可能性も視野に、複数の関係者から話を聞くなどして慎重に調べている。同本部は7日にも遺体を司法解剖し、死因や死亡時刻の特定を急ぐ。

 石垣市消防本部によると、5日に通報を受けて隊員が現場に到着した際、女性は自発呼吸がなかったという。

「いい人でした」声を落とす関係者

 【石垣】石垣市真栄里の事務所で事務員の女性(52)が殺害され一夜明けた6日、捜査員らは凶器など遺留物の捜索や聞き込みなどを続けた。規制線が張られ、物々しい雰囲気の中、見分に立ち合った男性従業員は「いい人でした」と言葉少な。花束を手に訪れた知人は「信じられない」と声を落とした。

 関係者によると、女性は面倒見が良く、気さくで明るい人柄だったという。1人で現場を訪れた知人女性(40)は規制線前で警察官に制止されながら「せめてお花だけでも」と花束を預け、そっと手を合わせた。

 仕事の付き合いで1日に会ったのが最後といい「誰とでも仲良くなるような方で、トラブルや悩んでいる感じはなかった。最後もいつも通りに明るく接してくれたし、最初はうそだと思った。こんなひどいことになるなんて」と話した。

 一方、市内の小中学校や幼稚園では保護者らが登下校に付き添い、教諭らが集団下校を見守るなど緊張感に包まれた。娘を送った母親(43)は「犯人が捕まっていないのは心配だし、怖い。普段は送らないけど、しばらく様子を見て送らないと」と不安げに話した。