RBCiラジオで平日午後4時から放送の「民謡で今日拝(ちゅーうが)なびら」が4日、放送開始55年を迎えた。しまくとぅばの軽妙な掛け合いと、リスナーのリクエストに応えて流す民謡が人気の長寿番組だ。パーソナリティーの上原直彦さん(79)は「リクエストを送ってくれる皆さんのおかげ。これからまた55年続くように、若い世代につないでいきたい」と笑顔で話した。

放送55年を迎えた「民謡で今日拝なびら」の番組パーソナリティーの(前列右から時計回りに)八木政男さん、上原直彦さん、座喜味米子さん、島袋千恵美さん=5日、那覇市・琉球放送

 番組は1963年にスタート。今月5日には記念番組が放送され、レギュラー出演する八木政男さん(87)、座喜味米子さん(56)、島袋千恵美さん(42)が勢ぞろいした。スタジオ内には、初回から53年間レギュラーを務め、昨年4月に85歳で亡くなった北島角子さんの写真も飾られた。

 生放送が始まると、台本通りには進まない。アドリブが飛び出し、進行役の土方浄アナウンサー(59)が「55年を1時間で振り返ろうなんて、無理な話」と笑いながら悲鳴を上げた。34年前の番組の音源や52年間リクエストを送り続けるリスナーへのインタビューも紹介された。

 55年間変わらず、はがきでリクエストを募る。「今の時代にはがきだけ?」とも思うが、1年間で届くはがきは約4千枚。米国や札幌市からのはがきもあった。上原さんは「はがきは手間が掛かるが、この労力でリスナーも番組作りに関わっている。字からこんな顔の人かなと想像するのも面白さの一つ」といたずらっぽく笑う。

 止まらないおしゃべりにゆったりと流れる民謡の調べ。「時代は変わっても、歌の背景にある暮らしに思いをはせ、共感するウチナーンチュのDNAに訴える力が民謡にある。だから長年支持されているのかも」

 上原さんによると、琉球古典音楽の歴史が約300年、民謡はさらにさかのぼるという。「55年ではまだまだ紹介しきれない。これからも、ゆたさるぐとぅ、うにげーさびら」。今日もマイクに向かう。(社会部・川野百合子)