【東京】安倍晋三首相は10日の衆院予算委員会で沖縄県名護市辺野古の新基地建設に向け、翁長雄志知事に代わり辺野古沿岸部の埋め立てを事実上承認する「代執行」手続きに入ったことが適切だとの見解を示した。承認取り消しは「違法であり、著しく公益を害する」と批判。「最終的に司法判断を得ることができる代執行等の手続きに着手することがより適切な手段だと判断した」と述べた。

衆院予算委の閉会中審査で答弁する安倍首相=10日午前

 中谷元・防衛相は新基地建設工事で、環境面から国に指導・助言する「環境監視等委員会」の3委員が建設事業の受注業者から寄付を受けていた行為について「確認の結果、正当だとの結論に至った」と述べ、問題はないとの認識を示した。公平・中立性を担保する必要があるとして、次回委員会で寄付金受領に関するルール作りを検討することを表明した。受領の可否判断に防衛省が関わることは否定した。

 また、寄付金は「大学の事務局を通じたものだった」と指摘。1委員が受注業者と関係の深いNPO法人の理事を務め報酬を受けていた件も「講習会などの実態がある」として正当性を強調した。

 その上で、公表されている議事要旨を分析した結果、「委員会の助言、指導機能は果たされている」とした。一方、外部へ公平・中立性を示すことができるよう議事内容の公表の在り方を次回委員会で検討することも明らかにした。

 菅義偉官房長官は新基地建設予定地に近い辺野古、豊原、久志の久辺3区に直接振興費を支払う理由に関し、「地元から、昼夜を問わずキャンプ・シュワブゲート前で反対運動があり、特に夜間の拡声器の声は安眠妨害。路上駐車も多く、なんとか配慮してほしいとの要望がある」と話し、抗議行動による地域への影響が振興費交付の判断材料の一つとの認識をあらためて示した。

 その上で「政府としては直接影響のあるところに配慮するのは何らおかしいことじゃない」と述べた。質問に立った赤嶺政賢氏(共産)は「騒音対策だと言うなら、キャンプ・シュワブ内の廃弾処理施設の対応が先だ」と政府の姿勢を批判した。赤嶺氏、井坂信彦氏(維新)への答弁。