沖縄を写真文化の交差点にしようと2013年に発足した「フォトネシア沖縄」の写真学校が14、15の両日、那覇市内で開かれる。3年連続で講師を務める写真家・作家の石川直樹さんと、今回から講師に入る写真家の石川竜一さんが、企画の意義や撮ることについて語り合った。

 いしかわ・なおき  1977年東京生まれ。2000年北極から南極までの人力踏破プロジェクト参加。01年7大陸最高峰登頂に成功。08年日本写真協会新人賞、開高健ノンフィクション賞、11年土門拳賞などを受賞。「POLAR」「最後の冒険家」など写真集、著書ともに多数

 いしかわ・りゅういち  1984年宜野湾市生まれ。2010年写真家の勇崎哲史氏に師事。15年3月、木村伊兵衛写真賞、4月に日本写真協会新人賞を受賞。写真集「絶景のポリフォニー」「okinawan portraits 2010-2012」など

 いしかわ・なおき
 1977年東京生まれ。2000年北極から南極までの人力踏破プロジェクト参加。01年7大陸最高峰登頂に成功。08年日本写真協会新人賞、開高健ノンフィクション賞、11年土門拳賞などを受賞。「POLAR」「最後の冒険家」など写真集、著書ともに多数  いしかわ・りゅういち
 1984年宜野湾市生まれ。2010年写真家の勇崎哲史氏に師事。15年3月、木村伊兵衛写真賞、4月に日本写真協会新人賞を受賞。写真集「絶景のポリフォニー」「okinawan portraits 2010-2012」など

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 直樹 フォトネシア沖縄は東松照明さんが残したものを含めて写真の何かを根付かせようとしているプロジェクト。東松泰子さんや仲里効さん、石川真生さんが中心ですごく独特な活動。島が連なる中で、東アジアを向いて、写真の拠点、センターのようなものを作ろうとしている。沖縄だからこそ、できるのかなと思っている。

 竜一 僕が写真を始めたころはなかったので、画期的だなと思う。沖縄は写真人口が多い、写真が強いと言われるが、写真を勉強できるような開かれた場所はあまり知らなかった。沖縄で写真を撮っているだけで完結しないで、外を向いた方向で写真と接することができる場だと思う。

 直樹 1974年、東松さんがワークショップ写真学校を沖縄で開き、森山大道さんや荒木経惟さんらが来ていた時期がある。そういうスピリットを受け継ぎながら、爆発的な何かを生み出したいという気持ちでみんな携わっている。竜一君は東松さんのワークショップから何を学んだ?

■東松照明氏

 竜一 僕は3期生。東松さんは既にご高齢で入退院を繰り返している時期で、直接の話を聞けたのは3、4回だった。どちらかというと泰子さんを通してレタッチを学び、それは今でも自分の中で取り入れているし、生きている。プリントの作り方を意識していると、撮る時に光の入り方やコントラストの度合い、イメージが意識に入って来る。

 直樹 集まって写真のことについて考えたり、プリントのことについて話したりする場自体が結構貴重で、素敵(すてき)なことだ。こういうプロジェクトはありそうでないので、僕もすごく惹(ひ)かれている。

 竜一 沖縄はすごい写真家が頻繁に来ているが、普段の生活で接点が全然ない。第一線で活躍されている方から、直接話が聞けるのは本当にすごいことだと思う。

 直樹 沖縄はこれだけ写真が盛んだけど、一方で沖縄に来ると写真家同士の連携がなくて、仲がよくないと感じる。なぜだろう。独特の意地の張り合いを感じることも。

 竜一 本土から沖縄に来ている写真家の中でも派閥がありませんか?(笑)。でも確かに分かる。自分の表現についてプライドが高いし、言い換えれば真面目にやっているということでは。派閥と言えば東京も出版社でも写真家の教室でも同じようにある。沖縄は規模が小さい分、血の気の多さが見えやすいのかもしれない。でも東京に行って感じるのはみな写真が上手。頭がいいんだなと感じる。

■沖縄と東京

 直樹 テーマの設定とか?

 竜一 それもそうだけど、東京に行くと、みんないろんなことを知っているし、考え方がしっかりしている。違うなあって思う。東京はいろんな情報がある分、勉強できる。必要なことと、必要でないことの区別とか。沖縄は学ぼうという意識や雰囲気が東京と比べると弱いと思う。

 直樹 東京だと展覧会を見比べることもできて、自分の展示も相対化して客観的に見られる。

 竜一 ただ今はネットがあるので学べる環境はある。僕は勇崎哲史先生から教えてもらって、写真集をひたすら買いまくって勉強するようになった。

 直樹 写真の歴史は実は短い。撮る上で写真史を学び、過去の作品を知ることはすごい大切だ。竜一君も一見、勉強好きそうじゃないように見えるけど、実は結構見ているんだよね。

 竜一 僕も最初は勉強は好きじゃなかった。でも写真に限らず、いろいろなものを吸収していかないと、新しい何かは出てこない。勉強しなくても何か作れるなんて思うのは、ただ夢見ているんじゃないかなあ。でも沖縄は外で遊ぶのが好きで、どんどん外へ出て行く。東京は情報が多すぎる分、頭でカバーしようとして、動くのをごまかしがちだ。どっちもひたすら一生懸命やりまくることがたぶん必要なんだろうと思う。

石川直樹氏・石川竜一氏・川島小鳥氏が座談会 11月15日那覇市

 フォトネシア沖縄の写真学校は14日那覇市のタイムスビル、15日那覇市ぶんかテンブス館で開かれる。受講者は締め切ったが、15日午後1時半~3時半の石川直樹と今年の木村伊兵衛賞を受賞した石川竜一、川島小鳥の3氏による座談会は一般開放する。資料代500円。