NGO団体グリーンピースの船「虹の戦士号」の沖縄県名護漁港沖の停泊許可をめぐり、沖縄総合事務局が9日に許可を出す直前、同団体に対し、人員をボートで岸に運ぶための輸送申請を取り下げるよう提案していたことが12日、分かった。同団体が会見で明らかにした。グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一事務局長は「停泊許可を盾に、申請取り下げを強いられたと感じた」と問題視している。

台湾へ発つ前の記者会見で「辺野古で起きているのは民主主義の危機だ」と訴える「虹の戦士号」のマイク・フィンケン船長=12日、那覇新港沿岸

 同団体は6日付で名護漁港沖の「停泊」、人員を船から岸まで運ぶ「輸送」の2種類の申請を総事局に提出。同局は9日午後6時に停泊を許可したが、その10分前に「調整に時間を要す」として輸送申請を取り下げるよう提案した。同団体の住所などが記載された「取り下げ書」も用意されていたが、同団体は応じなかったという。

 現在も、輸送申請は許可も取り下げもされていない状態。佐藤事務局長は「漁船がチャーターできなければ上陸できなかった。却下するなら理由を明示すべきで、こちらに取り下げを迫るのは変だ」と指摘。総事局側は取材に「取り下げ提案は、今回に限らずあり得ること」とした。

 辺野古の現状を伝えるため来沖した同団体は12日夕、台湾に向け那覇新港を出発。12日間の滞在を終えたマイク・フィンケン船長は、日本政府が船員の上陸を79時間許可せず、辺野古沖の停泊申請も却下したことに「世界を回った中で初めての経験。日本政府は辺野古の問題を世界に隠そうとしているが、今後も辺野古の非暴力的な活動を拡散していく」と訴えた。