沖縄県石垣市真栄里の土木会社事務所で事務員の女性(52)=同市=が殺害された事件で、沖縄県警特別捜査本部は11日、強盗殺人の疑いで元従業員で無職の男(38)=同市=を逮捕したと発表した。調べに容疑を否認しているという。また、事務所内に残っていたDNAと容疑者のDNAの型が一致したことや自宅から刃物などを押収したことも捜査関係者への取材で分かった。逮捕は10日付で、12日に那覇地検石垣支部に送致する予定。

容体者が住むアパートの家宅捜索で、階段に残る血痕らしきものなどを調べる捜査員=11日午後4時30分ごろ、石垣市内

 捜査関係者によると10日の家宅捜索で容疑者宅から刃物など数点の押収や任意提出を受けたという。11日は容疑者宅や事務所など複数の関係先を家宅捜索し、車両などを押収。同本部は容疑者が犯行に使用した関連証拠とみて慎重に調べを進める。

 逮捕容疑は5日午後4~5時ごろまでの間、事務所内で被害者の顔や首などを刃物のような物で複数回突き刺すなどして殺害し、現金が入ったバッグなどを奪った疑い。容疑者は事件当日の5日午後6時半ごろ、右手を負傷して実家を訪れており、捜査本部が関連を調べているとみられる。

 調べによると容疑者は昨年8月ごろに、この土木会社を辞めたと供述。被害者との間に目立ったトラブルは確認されていないという。殺害現場からは被害者の財布や会社の金が無くなっていた。事件当日は同社の給料日だったが、支給予定の現金は事務所内に残っていたという。

 捜査本部は11日、八重山署で事件概要を発表。同署の与那嶺一文署長は住民の捜査協力に感謝し「今後も捜査を尽くす」と強調。容疑者の逮捕を受け「これで安心して眠れます」との遺族のコメントを代読した。

 捜査本部は、事務所内部の事情をよく知った者が犯行に関わったとみて捜査を開始。従業員ら複数の関係者への聞き込みなどから容疑者が浮上していた。