【クライストチャーチで平島夏実】沖縄タイムス社による創刊70周年記念の海外市場視察団(団長・豊平良孝社長)は12日、ニュージーランドに到着した。クライストチャーチで同国を生産拠点として世界各国に牛肉やラム肉を卸しているアンズコフーズ(東京都、金城誠社長)の自社農場を訪ねた。

ヒツジや肉用牛を育てたり、乳牛を預かったりしている農場を案内するアンズコフーズの金城誠社長(右)=12日、ニュージーランドのクライストチャーチ

 同農場は広さ約220ヘクタールで、買い付けた肉牛や子羊を放牧している。アンズコフーズは自社農場に加え、多い時で約千戸の農家と契約。トウモロコシや小麦などの穀物飼料を使わずに牧草だけで育てた同社の「ニュージーランド牧草牛」はサンエー(宜野湾市、上地哲誠社長)が年間千トン仕入れており、最大の取引スーパーになっているという。

 金城社長(58)は同日、クライストチャーチのホテル内で視察団に講演し、ニュージーランド牧草牛が沖縄で支持を得た背景を説明。沖縄の食卓に牛肉が並んだ1960年代後半、「米国産は高価で、オーストラリア産は味が悪かった。主流になったのは手軽な価格で味の良いニュージーランド産だった」と解説した。

 その後は日本の商社が肥育を進めたオーストラリア産が広がったものの、「慣れ親しんだあのニュージーランド牛を復活させたいということでサンエーさんが13年前に動き、沖縄での取引が広がった」と振り返った。

 父親が糸満出身の金城社長は、高校時代にニュージーランドへ語学留学した縁で同国のカンタベリー大学に進学。2000年にアンズコフーズへ入社し、04年から社長を務めている。自社農場では、クローバーなど牧草の種を5、6年に1回まき、飼料用の小麦や大麦、トウモロコシを育てた後、土地を1年休ませてまた牧草の種をまく「グラスファーミング」の手法を取り入れている。