名護市辺野古の新基地建設問題を通じて、地方と国の対立、紛争の解決のあり方や日米地位協定の問題を考えるシンポジウム「民主主義における自己決定と地方自治」(主催・日本弁護士連合会など)が14日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた。沖縄大学名誉教授の新崎盛暉氏が「戦後沖縄の歴史と現在」と題し記念講演。パネルディスカッションでは日本自然保護協会の安部真理子氏、琉球大学教授の島袋純氏、関西大学教授の高作正博氏、元沖縄タイムス記者・論説委員の屋良朝博氏がそれぞれの立場で問題点を論じた。沖縄弁護士会の加藤裕氏、横浜弁護士会の関守麻紀子氏がコーディネーターを務めた。

パネリストの議論に聞き入る来場者=14日、那覇市久茂地・タイムスホール

 「自分たちのことを自分たちで決めないと人権は守れない」。会社員の瀬底言(げん)さん(26)=南城市=は、こう思い参加した。シンポを聴き、政府が私人と国の立場を使い分けて工事を強行する点を疑問視。「法の根底を顧みない暴挙。地方自治を守るため、政治の根本になる選挙制度の見直しも必要と感じる」

 翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しについて「正当な判断」という思いを強くした主婦の源河直子さん(73)=北谷町は「沖縄の米軍基地が、なぜ整理・縮小されないのか。日米の政治力学について聞きたかった」と注文を付けた。

 那覇市の看護師松田和枝さん(59)は、勤務先に入院する高齢者から「基地を造らせてはいけない」と聴かされる。シンポを通し、埋め立てが広範囲に悪影響を及ぼすことを懸念。「やんばるで鳥を見るのが好き。希少価値の高い生物を次世代に残したい」

 日弁連が新基地建設をテーマにしたシンポを開いたことに「沖縄の基地問題を全国の問題と考えている」と評価したのは沖縄弁護士会の仲山忠克さん(66)=豊見城市。「沖縄の現状が民主主義や地方自治に反していないかどうかを全国に問い掛けてほしい」と期待を込めた。