【東京】名護市辺野古の新基地建設をめぐり、翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しに対する国の代執行手続きで、石井啓一国土交通相は17日、承認取り消し処分を取り消すよう求め、福岡高裁那覇支部へ提訴する。翁長氏は同日夕に記者会見を開き、正当性を主張する予定。沖縄県と政府の争いは新たな段階に入る。

 菅義偉官房長官は16日の会見で「国土交通省から準備が整い次第、訴訟をする方向で準備していると報告を受けている」と述べ、提訴に向け最終調整を行っていることを明らかにした。防衛省幹部も取材に「提訴は17日の方針で変わりない」と述べた。

 政府関係者によると、既に防衛、国交省など関係機関が訴状を確認し、国が当事者となる際の訴訟処理を担う法務省訟務局へ書類を提出したという。

 地方自治法で提訴後15日以内と規定する第1回口頭弁論は12月1日までに開かれる。

 県議会12月定例会は11月25日開会予定だが、翁長氏は日程の都合が合えば、法廷で意見陳述に立ち、公正で中立な審理などを求めるとみられる。

 高裁では知事の取り消し処分が適法かどうかが争点になる。国交相の訴えを認めれば、期日を定め、取り消し処分を取り消すよう知事に命令する。その時点で知事の取り消し処分は効力を完全に失う。知事が従わなければ、国交相が代執行することになる。

 逆に高裁が知事の主張を認めた場合、行政不服審査法に基づく国交相の決定で現在、停止状態にある知事の取り消し処分の効力は元に戻ることになる。いずれも7日以内に最高裁に上告できる。

 取り消しについて、県は公有水面埋立法の要件を満たしておらず、承認に「法律的な瑕疵(かし)がある」と指摘。安倍内閣は適法な承認を取り消したもので「違法」と判断し、10月27日の閣議で代執行手続きを始めると口頭了解した。